第79頁 知り合い①
えー、大変お待たせして申し訳ございませんでした。自分でもこんなに空くほど忙しくなるとは思わなかったんです…。今はまだ大丈夫ですが、じきにまた忙しくなりそうなので不定期は継続させていただきます。
「なずにゃん…だよね?」
美月はまるで親しかった人のようになずなのことを呼ぶ。
「そ、その呼び方…もしかして…いや、そんなはずは…。」
なずなの方も明らかに動揺した様子で美月の方を見る。
「なずにゃん、私だよ。美月だよ…!」
「美月…やっぱり、みっちゃんなんか!?」
「うん…本物だよね?」
「その質問はうちがしたいんやが…せやけど、互いに認識できたのに、これ以上どうやって証明するん?」
「うーん…ちょっといい?」
そう言いながら美月はなずなに触れれる位置まで近づく。そして、
「ん?…ひゃっ!?」
なずなの胸を鷲掴みする。
「この感触は…うん、本物だ!」
「…ちょい待てや。確信犯やろ?うちやってわかっててわざとやったやろ?」
「そりゃまあ…ほぼ百パーセント本物だと思ってたけど確信に変えたかったし、それに、なずにゃんにこうゆうことするの私くらいでしょ?」
要するに自分が確信するだけでなく相手に自分を確信させる為の行動らしい。
「…あほう。みっちゃんのあほう…!」
なずなが涙を流し始める。
「え、泣くほど嫌だった!?ご、ごめんね…。」
「ちゃうわ…今のやりとりしたら、なんか実感が湧いてきて…ちょっと前まで普通にいたのに、急に事故で亡くなったって聞いて、そんなの全然受け入れれんくて、わけわからへんままこの世界に召喚されて、漸く最近落ち着いてきて、そしたらもう2度と会えないんやなって思ったら余計に悲しなって、それなのに今こうしてまた会えて嬉しくて…もう自分でも何言っとるかわからへんわ、あほう…!」
色んな感情がごちゃ混ぜになって、美月に抱きつきながら感情のまま言葉を吐き出す。
「…うん、ごめんね、なずにゃん。」
吾郎と再会した時と比べて、美月は落ち着いた様子でなずなのことを抱き返していたが、その目にはしっかりと涙が浮かんでいた。
「…?」
レオは2人の様子を見ながら首をかしげる。
「…どうしたの、にいや?」
「ああ…あいつ、誰だっけって思ってな。」
レオの視線の先にはなずなの姿がある。
「…知り合い?」
「多分、前世の知り合いなんだが…美月。そいつ誰だ?」
「あれ、さっきレオ知ってるみたいな顔してなかった?」
「顔はなんとなく見覚えがあるんだが…誰だったか全然ピンと来てねえ。」
「そういうことね…この子は朝比奈なずな。レオと同じクラスだったと思うんだけど…。」
「朝比奈…?ああ、思い出してきた。あの朝比奈か。…てか、良く覚えてるっつーか、お前らそんな仲良かったんだな、学年ちげーのに。」
「だって従姉妹だもん。」
「え、マジで?…全然似てねえな。」
「まあ、従姉妹ってのは嘘なんだけど。…それより、この後どうするの?まさか戦いたいとか言わないよね?」
「流石に言わねえよ…それと、ここで色々話すのはあれだし、そいつが落ち着いたら街に移動するぞ。そこのお前も、それでいいよな?」
やや空気になっていたアイリスの方に話が振られる。
「ええ、構いませんわ。」
「…そろそろ大丈夫や、みっちゃん。ちょっと恥ずかしなってきたわ。」
目はまだ腫れっぱなしだが、話し方ははっきりしてきたなずなが、顔を上げて美月から手を放す。
「獅子堂君…やんな?見苦しいところを見せてしもたわ。」
「ああ…久しぶりだな、朝比奈。」
「…まさか、獅子堂君もみっちゃんと同じ世界、それも王様になってるなんて思いもせえへんかった。」
「俺もなるつもりはなかったんだがな…まあ、とりあえず移動するか。」
後書きが少しさみしいので、おまけとしてキャラ同士の絡みや裏設定などの紹介として使うかもしれません。そんな感じの文章になってたらそういうことです。