第76頁 ぶつかり合う剣
ふっつーに投稿忘れてましたごめんなさい。
自然の音が流れる森の中で、メロディーを刻むように無数の金属音が鳴り響く。メリシアの剣となずなの剣がかち合う音だ。
最初は互いに様子見といわんばかりに、片方が剣を振るえばもう片方はそれに剣を合わせる、もしくはいなす、避けるなどして有効打にさせない。剣を振るう側も、振るタイミングを遅らせたり、剣以外にも足などを使ってフェイントや牽制を入れるが、守りに入った側はしっかり攻撃を捌き切る。
「ほおん…大口を叩くだけのことはあるやないか。」
「そう?褒めてくれてありがとー。」
「なんか、調子狂うわ…。」
メリシアは以前として余裕そうな顔をしている。が、
(うーん…この子、強いなあ。それに、なんでかわかんないけど戦いにくい…相性悪いのかなあ。)
内心では少し苦戦しているようだった。
(…どうせすぐにバレるし、あれは使っちゃってもいいかな?)
メリシアは剣の間合いから少し離れ、ノータイムで飛閃を放つ。
「あっ…ぶなっ!」
中距離からの突然の奇襲技を、なずなは反応して避ける。避けた飛閃は無造作に生えている木に当たり、通過した木が倒れていく。
「おおぅ…直撃したら、痛いじゃ済まへんな。」
後ろを見てリアクションするなずなに、メリシアが急接近して攻撃する。なずなも直ぐに反応して剣を合わせる。
「余所見厳禁、だよー。」
「不意打ちとかせえへんかと思ったら…意外と容赦ないやないか。」
メリシアは更に近づいて剣を振るうかと思えば、突然バク宙してその体制で剣を2回振るう。
なずなは飛閃の1つを剣で防ぎ、もう1つを避ける…が、避けた方の飛閃の軌道が突然反転して、なずなの背中に直進する。
(飛閃三式、『曲飛閃』…ちょっと大人気なかったかも。)
「…そんな気してたわ。」
そう呟いて、なずなは後ろも見ずに剣を合わせ、曲飛閃を防いだ。
「おー…よくわかったねえ。」
「剣を振る2回目、わざわざ逆手に持ち方変えたやろ。…なんか仕掛けてくるとは思ったんや。」
「なるほど…よく見てるなあ。」
メリシアは感心したように頷くと、また飛閃を放ちながら今度は接近する。
「もうちょい余韻に浸らせてくれても…え、ちょっ!?」
なずなに向かってまっすぐ飛んできた飛閃が、生きてるかのように2回曲がりなずなの横腹を狙う。想定外の挙動に動揺して反応が遅れたが、なんとか防ぎメリシアの攻撃に対応する。
「持ち替える必要ないんかい!!」
「ん?そんなこと一言もいってないよー。」
「じゃあさっき持ち替えたんは…。」
「ちょっと試してみただけで、特に理由はないね。」
「勝手に騙されたみたいで恥ずかしいわ…。」
(2個の技でこんな翻弄されるなんてな…このままだと防戦一方やな。)
辛そうな顔をしたなずなが、離れているアイリスの方に少しの間視線を向ける。それに気づいたアイリスが何度か首を縦に振る。
「…こんな所で使うつもりはなかったんやけど、しゃあないな。」
メリシアとの距離を強引に離し、なずなは剣を左手に持ち替える。
「許可も降りたし、負けたくあらへんからな…うちも技、使わせて貰うわ。」
剣士同士の戦い…こんな感じでいいのかな?持ち方とかにも注目してみたけど。
さて、なずなの技名どうしよっかなあ(まだ考えてない。)