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異世界獣人記 〜亜人の栄光を取り戻せ!〜  作者: ロール
第1章 終わりと始まり
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第7頁 夢の世界で その②

一章終わらせるのに1年弱かかるという…。なんて遅さだ…。まああくまで趣味の範囲なので、こんなもんですかねー。次回の前に、用語解説回(多分全然できてない)を挟みますので、よければそちらも見てください。

「…」


レオは驚きを隠せず、一瞬思考停止していた。が、


「…おい、聞いてるか?」


ヴェインにより我に返る。


「あ、ああ…聞いてなかった。悪い。」


「まあ、驚くのも無理ないか…。で、転生後の生活はどうだ?見てる限り、なかなか楽しんでるように見えるが。」


「ああ。可愛いメイドと妹もいるし、魔法も使えるし、王子の割には王族としての仕事は少ないし…夢にまで見た異世界だ。最高に決まっている。今のところは、な。」


そして、さっきの話から、気になったことをヴェインに聞く。


「さっき…お前達っていったよな。もしかしてあいつらも…。」


「ああ、転生してるぜ。熊谷吾郎も、宇佐美美月もな。もちろんこの世界にいるぜ。まあ場所は自分で探しな。ただ教えるだけじゃ面白くねえ。」


「そうか…いつか、会いにいかないとな…」


少し喜ぶレオだったが、すぐに真剣な表情にもどり、もう一つ質問する。


「どうして、俺を…いや、俺達を転生させたんだ?」


さっきまで明るい表情だったヴェインも真剣な表情になる。


「ああ…それを話すのが、俺がここに来た理由でもある。」


話の雰囲気が、さっきとは全く違った。


「まず…この(ストラビア)を中心として、亜人種の住んでいる区域には、人間や魔族から身を守るための結界が貼ってあるのを知っているな?」


「ああ…授業で習ったが…。」


レオは5歳になってから、この世界の歴史を習い始めている。


「実はだな、その結界が、あと数年で解けようとしている。」


「!? …解けるだと?」


「ああ、そもそもこの結界は数十年、持って百年前後に効果が切れる。」


「だが、この結界の効果は数千年前から続いているはず…てことは、張り替えたりできるんじゃないのか?」


「ああ、できる。昔から切れかかる前にそうしてきた。」


「だったら…『だが、それでいいのか?』」


交互に会話していたが、レオの言葉を、ヴェインが遮る。


「…? どうゆうことだ?」


「…結界を張るには儀式をする必要がある。そして、その儀式には生け贄がいる。それも、王族の王女のな。この時期に儀式を行うということは、つまり…」


「ミアが生け贄になる…?」レオの目の色が変わる。


「そんなことは絶対にさせねえ、させようとする奴は、俺が片っ端からぶっ殺…『まあ待て。』」


怒りかけるレオの言葉を、ヴェインがまた遮る。


「平和に暮らすためには、結界は不可欠。多くの者がそう思っている。だが、お前は自分の妹を死なせたくない。だから…」


少し間を置いて、ヴェインが言う。


「お前がその意識を変えさせればいい。」


「…!」


「つまりは、民に、結界は必要ないと思えさせればいい。」


「できるのか?」


「それはお前のやり方次第だな。できなきゃ全てを敵に回すだけだ。仮にできたとしても、結界を失くすのだから、確実に外の世界の連中はこの国を狙ってくるだろう。そしたら必ず戦いになる。世界規模のな。」


「…勝てるのか?」


「勝てないと思ったらこんな話してねえし、そもそもこの世界にお前達を呼んでねえ。お前は転生者だし、武術や魔術の才能もとんでもねえ。だが、今のお前じゃ勝てねえ。結界が解けるのは10年くらい後だ。それまでに、もっと強くなれ。やるか選ぶのはお前だが…やるか?」


レオは、不敵な笑みを浮かべながら、


「当然!」という。


「いい返事だ、期待しておくぜ。」ヴェインは少しほっとした表情をする。


「だが…一つ聞きたい。」


「なんだ?」


「どうして、こんな話を持ちかける?国のことを考えるなら、結界を失くして外の世界と戦うなんて危険な賭けにでるより、結界を貼り続けた方が堅実なはずだ。なのにお前は、俺にその危険な賭けにでるようにいった。お前は一体、何がしたいんだ?」


「そうだなあ…」ヴェインは少し考える。


「仮に結界を貼り続けても、いつかはかならず壊される。人や魔族にここの存在を勘付かれてな。その時になったらしまいだ。平和ボケした亜人どもが、外の世界の奴らに勝てるはずもねえ。亜人族はほぼ絶滅。生きてても永遠に奴隷になるか逃げ続けるだけの生活だ。だから、その前になんとかしたかった。この世界に直接干渉することはできないが、別の世界から魂を呼ぶことはできた。もう呼べるかはわからないがな。今ならまだ勝てるかもしれない。お前達のいる今なら…そうすれば、亜人族は、本当の平和を手に入れることができる。そう思ったのさ。これでもお前達の神だぜ?ちょっとくらい子孫や同族の心配したっておかしくないだろ?…それに、見てて退屈だったんだよ、こうやって偽りの平和に酔った亜人達を見るのがな。」


「そうか…」その言葉に嘘はなさそうだった。


「最後にもう一度聞くぜ。」


「今みたいに平和に暮らせるのはあと10年だ。そしたら、殺し合いの連続、いつ死んでもおかしくないところに首を突っ込むことになる。それでもやるか?」


「ああ。」


「ミアを守るため、そして、俺自身のために…。」


世界に、喧嘩を売ってやるよ。












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