第66.5頁 帰り道
個人的に○.5回は書いてて本編より楽しい時がある。自分で勝手に書いて舞い上がってるだけともいえる。
吾郎と美月が、仮拠点に向かって歩いている時、
「…ねえ、なんでかっこつけてたの?本当はめっちゃ嬉しいくせに。」
美月は突然、吾郎にそういった。
「…やっぱりバレてたか。」
「当たり前でしょ?何年一緒にいると思ってるの?…レオも絶対気付いてるよ。」
「…前世で勝ったのは、まぐれみたいなもんだったからな…今度こそ、ちゃんと実力で勝ちたいって思ってたんだ。ルールがあったからお互い本気は出せなかったが、それでも勝つつもりで戦ってた筈だ。…漸く、それが果たせた。それに…。」
「それに…?」
「レオと久々に戦ったことで、前世を懐かしめたし、こうやって、3人再会することができたんだよなあって改めて実感できた気がしたんだ。…嬉しいに決まってる。」
「…そういうの、絶対本人の前じゃ言わないよね。」
「そりゃ、こんな臭いこというの恥ずかしいだろ…俺だけ勝つ気だったらそれはそれで恥ずいしな…お前に言うのも相当抵抗あるんだぜ?」
「んー…まあそれもそっか。」
「…とにかく、これで個人的な目標は後1つになったな。」
「その1つって何?」
「え…秘密。」
「えー、いいじゃん教えてよ。」
「嫌だ、絶対教えねえ。」
「…まあ、そこまで言いたくないなら無理強いはしないけどさ…なんか、寂しいなあ。」
「うっ…。」
美月の言葉が、吾郎の心にクリーンヒットする。
(言えるわけねえだろ…言ったら告白になっちまうんだから。)
「そういうお前は何かないのかよ、目標。」
「目標…かあ。」
美月は吾郎と似たようなことを思い浮かべる。
「…人のプライベートを探るのは良くないと思う。」
「お前さっきやってただろうが!!」
「ま、まあそれは置いといて…。」
(露骨に話逸らしたなこいつ…。)
「良かったね、吾郎。」
「ああ。ありがとな、美月。…お前が居なかったら、きっと挫けてた。」
「私、特に何もしてないよ?」
「んなことねえよ…俺は本当に助けられたと思ってる。」
「ふぅん。じゃあ今度何かお礼して貰おっかなあ。」
「…なるべく出来ることでお願いします。」
「人をかぐや姫みたいに言わないでよね。」
「ん、どういうことだ?」
「…ごめん、今のは例えが下手だった。」
話している内に、仮拠点の自分達の部屋につく。
「今日は良く眠れそうだ。」
「それはいいことだけど…あんまり大きないびきかかないでよ?」
「そんなこと言われても…。」
「ふふっ、冗談だって。…おやすみ、くまやん。」
「…ああ、おやすみ。」
戦闘中での吾郎の心理描写があんまり書けなかったので、戦闘後に補足するつもりでこの回を書こうとしたんです…気付いたらただのイチャコラ回となっていた。
吾郎もハーレムにするつもりでヒロイン達とか考えちゃってるけど、正直純愛でもいい気がしてきた。まだ軌道修正ができるので、最終的にどっちにするか期待しといてください。だからこれはネタバレじゃない。断じて。