第63頁 静かな夜に
突然ですが2月中は諸事情で休稿させていただきます。
楽しみに見てくださっていた方には(そんな人いるのかわからないけど)申し訳ありませんが、3月からまた週一投稿をしていきたいと思っているので、今後ともこの作品を読んでいただけると幸いです。
ケントルクスが出来るまで、レオ達は仮拠点を建ててそこで寝泊まりすることになった。
辺りが寝静まった頃、何かが風を切る音や、魔法の音が聞こえる空間があった。
魔法の主はレオだ。かなり広く張られた遮音結界の中で、いくつもの攻撃魔法を放っている。
レオの撃つ先にいたのはルミナだった。飛んでくる魔法を、防いだり避けたりして対応する。どうやら何かの修行をしているらしい。
しかし、昔のようにただ避けるだけではなく…ルミナも反撃をする。高く飛び上がり、レオに向かってナイフ…の形をした木製の飛び道具を複数投げる。風を切る音の正体はこれらしい。
超高速で飛んでくる木製ナイフは、殺傷能力はないが、闘気も多少込められているため、直撃すれば痛いでは済まない。…それを知った上で、レオは敢えてナイフを掴む。
その間に、ルミナが空中から接近する。空中で闘気による足場…『天場』を作り、それを蹴るを繰り返すことで、どんどん加速していく。
「『フロストジャベリン』」
レオは迎撃するように魔法を撃つ。複数の氷の槍がルミナに向かって直進する。
ルミナは『天場』を使うことで空中で自身の軌道を変えて避ける。そして、
「…行きます。『空撃』。」
そういって、ルミナは大量の木製ナイフをレオの頭上から投げ、自身もそれと共に急降下する。
「…なるほどな。」
レオは感心するような声を出す。頭上から降り注ぐナイフとは別に、地上からも、いつの間に投げられていたナイフがレオを完全に包囲していたのだ。
「だが…『ウィンド』。」
初級魔法とは思えないほどの強力な風が、レオを囲んでいたナイフをほとんど吹き飛ばす。そして、
「…ふっ!」
急降下しながら踵落としのような動きをするルミナの足を、対物理結界で防ごうとする。が、
「…お?」
対物理結界にひびが入り、レオの結界を破った。
「おお…まじか…。」
そこで一度攻防が終わり、互いに戦闘体制を解く。
「…今のは良かったな。威力も大幅に上がってるし、その前の動きもかなり対策しにくい。」
「ほ、本当ですか?」
ルミナが少し嬉しそうな表情になる。
「…だが、まだナイフに込める闘気があめえな。あんぐらいの風で吹き飛ばされてるようじゃ、牽制として役に立たねえ。」
「…わかりました。」
「よし、んじゃ次は接近戦の練習を…ん?」
2人きりだった遮音結界の中に、他の人が入ってきた気配を感じる。
「…吾郎か。」
「あー…邪魔したか?」
「いや、別に構わねえが…どうした?」
「部屋に戻ろうとしたら2人が戦ってる所が見えたから、ちょっと気になって見に来ただけだ。」
吾郎は少し汗をかいていた。どうやら吾郎もどこかで修行をしていたらしい。
「いつもこんぐらいの時間にやってるのか?」
「ああ。日中はミアといたいからな。ミアが寝ている時に、なるべくやりてえことをやっておくようにしてるんだよ。」
そこには、ミアにあまり泥臭い所を見られたくないという兄としてのプライドも多少あるのだろう。
「どんぐらいの頻度でやってるんだ?」
「…週一ぐらいだな。他にも魔法の研究だったり、俺自身の修行とかもしないといけねえからな…。お前はほぼ毎日やってるよな。」
「ああ…レオに再会する前からずっとやってたから、中々その習慣が抜けなくてな…やめる気もないが。けど、そろそろ1人で黙々とやるのにも限界が見えてきたかな…。」
「…なら、前の続き、やるか?」
前とは、レオと吾郎がこの世界で再会したときにやった勝負のことを指している。
「やりたいっていいたい所だけど…いいのか?2人の修行を中断させても。」
「…私のことは、気になさらないでください。」
「…ありがとな、ルミナさん。」
「いえ… 私も少し、お二人の戦いに興味がありますから。では、失礼します。」
そういって、ルミナは遮音結界の外に出た。
バトルシーンを書く練習がてらこんな回にしてみました。
うん…わかってる。休稿するタイミングがおかしいことはわかってる。でも許してくれ…今まで投稿するのも色々大変だったんだ…
なので、3月初週のレオ対吾郎は気合い入れて書こうと思ってます。