第62頁 エリン、初めての国外
書きたいことが多すぎて収集がついてない。また色々横道にそれようと思います。
「それじゃあ行ってくるね。お父様、お母様、お兄様達も。」
エリンは家族に別れを告げる。
「エリン…辛くなったらいつでも帰ってくるんだよ。それと、ちゃんと準備できてる?忘れ物ない?」
「あはは…心配しすぎだよお母様。」
「レオ…娘をよろしく頼む。」
「いや、その言い方だと違う意味になるんだが…。」
「…私はこのまま、君がエリンと結婚してくれてもいいと思っているよ。」
「だからしねえっつってんだろ…。馬鹿らしいからもう行くぞ。」
そういって、レオ達は城を出発した。
「…そういえば、馬車は使わないって言ってたけど、何で行くの?」
「普通に走って行くつもりだが?」
「え?…私、そんなに速く走れないよ?」
「お前に走れることは期待してねえ。だから…ミア。フェリかルリどっちか呼んでくれ。」
「…わかった。ルリ。」
ミアはルリの方を召喚した。
「…くうん?」
ルリは何をすればいいの?っといった様子で首を傾げる。
「…そいつを背中に乗せて走って。」
「わんっ。」
快く頷き、エリンを背中に乗せる。
「…走るペースは落とすが、振り落とされるなよ。」
「う、うん。」
そういって、レオ達はあっという間にレフィーエ王国を立ち去っていった。
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レオ達はあっさり目的地に着く。が、
「…あれ?ストラビアに行くんじゃないの?」
エリンが不思議そうな顔をする。
「ストラビアには帰るんだが…その前にやることがあってな。」
「やることって…こんな何もないところで?」
レオ達は今だだっ広い平原にいる。弱い魔物や動物がいるくらいで、殆ど何もないといっていい。
「ああ…そういやお前は引きこもって聞いてなかったか。」
レオはエリンが知らないことに納得する。
「エリン…レフィーエからストラビアまで、後どれくらいあると思う?」
「えと…半分くらい?」
「ああ。そして、その場所に俺達は、新たな都市を作るつもりだ。」
「新しい都市って…今から!?」
「まあ俺自身が作るわけじゃねえけどな。」
「でも、結界が解けるまでに間に合うの?」
「俺の見立てだと、結界が解けるのは後2週間から3週間くらい…完成はできねえだろうな。」
「流石にそうだよね…。」
「だが、ある程度の骨組みはできる。そしたら暫くここが拠点になる。」
「ストラビアに行った後こっちに戻ってくるってことだよね…でも、ここを拠点にする意味は?」
「…俺はこの町を、世界最大の都市にしようと思っている。」
「…なんか、さっきより2回りくらい壮大になったね。」
「ストラビアは獣人、フリーツはエルフの町…それを変えるのは難しいからな。だったら1から作ればいい。だろ?この町を作ることは他のメリットもあるしな。」
「は、はあ…。」
エリンがついていけなくて遠い目をし始めた。
「レオ様、お待たせいたしました。ライネル様方の元までご案内します。」
「おう。んじゃ行くか。」
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「…こんなに沢山人がいたのか…。」
吾郎が驚愕する。さっきは遠くてわからなかったが、近づいて見ると、およそストラビアの人口の100分の1ほどはいるだろうか。兵士、騎士、大工、他様々な職業の者が、この場所に集まっていた。
「あ…ライ兄いた…。」
ミアが指をさす。ライネルはベテランの大工達と話をしている。
「お、レオとミアじゃないか。それに吾郎君達も。」
「よお、ライ兄。都市制作はどんな感じだ?」
「今都市の設計図が完成したところだよ。早速仕事に取り掛かろうと思う。」
「1番時間がかかりそうな仕事は何だ?」
「…やはり中央の建物である、『ケントルクス』の建設だな。建設系の加護を持った精鋭達でも1ヶ月はかかるらしい。そこは頼めるか?」
「ああ。そこの設計図さえあれば、魔法で直ぐに作れる。」
レオは別に建設に関する知識等はない。だが、ほとんど手作業で行う大工達と比べれば、そのスピードの差は歴然となる。
「…本当に頼もしいな、レオは。これがその設計図だ。建物を安定させる仕組みとかもそこに書かれているから参考にしてくれ。」
「おう。…そいや、町の名前はもう決まったのか?まだ決まってねえなら俺がつけてもいいが。」
「いや、もう決まったよ。名前は…。」
ミセルニアス…その名は、後世にも長く残り続けることになるのだった。
やっぱりエリンみたいなまだ常識的な価値観を持っているキャラがいると話を進めやすい
もっと良識的なキャラが出るまでは暫くこの子に犠牲になってもらおう