第6頁 夢の世界で その①
安定の遅さ、申し訳ない
幼少期編はネタ要素入れる気ほとんどないけど、大きくなったら入れたいなあ…でも入れるの苦手なんで結局こんな感じになりそうです。
次回で幼少期編は終わります。
レオは思わず構えた。さっきまで気配すら感じなかったのに、突然現れたことと、その男がとてつもない威圧感を放っているから、そしてその男が、転生前の自分の名前を知っているからである。
「何者だ、お前…? どうして、俺の名前を知っている?」
レオは警戒心を剥き出しにしながら、男に質問をする。さっきまでここが夢の世界か疑うことすら、頭から抜け落ちている。
「おいおい、そんなに警戒するなよ、別に俺はお前と戦う気はないぞ。まあ、座れよ。話は茶でも飲みながら落ち着いてしようぜ。」
そういって、男は自分の目の前にあるカップをとって、そこに注がれている茶を飲もうと…
「熱っ!」
思いのほか熱かったのか、大げさなリアクションをとる。
それを見たレオは若干呆れながらも、警戒を解いて、男の向かい側にある椅子に座った。
「さて、質問に答えてもらおう。」
「あ、ああ…そうだな。まずは俺が何者か、だよな。」
舌を気にしていた男も、落ち着きを取り戻す。
「俺はヴェイン…ヴェイン・ストラビアだ。」
「ヴェイン!? 【獣神】だと!?」
そう、ヴェイン・ストラビアといえば、【獣神物語】の主人公であり、ストラビア王国を作った本人だ。
1年の間に、レオは【獣神物語】を読んでいた。レオが驚くのも無理はない。だが、男のとてつもない威圧感が、男が獣神であることを物語っている。
「流石に、信じられないな…。数千年前に死んでいるはずの男が、どうしてここにいる?」
「…どっから話すか…。確かに、獣人としての俺は死んだ。だが、死後の俺の魂は昇華されて、神になった。それこそ、文字通りの【獣神】にな。神になった理由は俺にもわからん!」
男…ヴェインはさらに続ける。
「今の俺は直接世界に干渉することはできないが、いくつかできることがあることがわかった。一つ目は、加護を作れること、そして、作った加護、【獣神の加護】を付与する相手を決めれることだ。二つ目は、その加護を持った相手と、夢の世界を通して話ができることだ。今俺がここにいるのは、お前の夢の世界に入って話をしてるってことだ。そう何回もできないけどな。そして三つ目だが…」
真剣に話を聞いていたレオだが、次の言葉を聞いて態度が急変する。
「他の世界の魂を、この世界なら持ってくることができる。」
「!?」
「そう…お前を、いや、お前達を転生させたのは、俺ってことだ、獅子堂礼王。」
そういったヴェインは、少し得意げな顔をしていた。