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異世界獣人記 〜亜人の栄光を取り戻せ!〜  作者: ロール
第3章 森林の国と魔眼の姫
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第56頁 尋問

監獄の奥の方…犯罪者の中でも、特に大きな罪を犯した囚人達のエリアに、呪術師の男は捕らえられていた。鉄格子などではなく、ほぼ密室の完全な個室になっており、その上魔力を封じる枷が付けられているので、脱獄はほぼ不可能な仕組みになっている。


そんな物々しい部屋に、レオ達は堂々と入り込む。


呪術師はレオ達のことを睨み続ける。


「…さて、色々と聴きてえことがあるんだが…。」


「…。」


「お前は人間ってことでいいんだよな…?」


「…。」


レオの質問に、呪術師は答えようともしない。すると、


「…おい!」


レオは呪術師の首元を掴み、そのまま叩きつけた。


「聞いてんのか?あ?」


「…。」


呪術師はこの体制でも黙ったまま、レオのことを睨み続ける。


(チッ…まあこれで駄目なのは予想してたがな)


「ルミナ、こいつの手枷外せ。」


「かしこまりました。」


ルミナに手枷を外させた直後、


「『ヒプノシス』」


レオは魔法で呪術師に催眠を掛けた。


手枷を外したのは、手枷には魔法を封じる効果もあり、封じる魔法は手枷を付けた者の発動する魔法だけでなく、手枷を付けた者に作用する魔法も封じてしまうからである。


「さて…洗いざらい吐いて貰おうか。」


「…はい。」


先程までの抵抗が嘘のように、呪術師は従順な傀儡のようになる。


「まずさっきの質問に答えて貰うぞ。お前は本当に人間か?」


「…はい。」


「何故人間が結界の中にいる?」


「我々は…結界の中に閉じ込められた人間達の末裔だ。」


「…なるほどな。」


亜人大結界の中はかなり広い…結界を作る際に、その範囲内に人間が紛れ込んでいてもおかしくはない。だが、


「そんな話は聞いたことねえ…。あの人数の人間が見つからねえなんてことがあるのか?」


「…人間は人間で集まって結界を張って、その中で暮らしていたからな。」


「ほう…なんとなくわかったが、一応人間だけで結界を張った理由と、今になってエルフの街を襲おうとした理由を聞いといてやろう。」


「…結界の中に閉じ込められた人間のほとんどが、亜人達によって始末された…そのため、生き残るために結界を作らざるを得なかった。亜人達に復讐するのは、先祖達の悲願だった。それに、結界の中で生活するのにも、限界が来ていた…。」


(自分のためならまだしも、先祖の意志を継いで復讐なんざ、くだらねえとしか思えねえな。)


レオはミアの方をちらっと見る。


「…どうしたの?にいや。」


「…もしミアに何かあったら、俺は世界に復讐する自信はあるけどな。」


「…ミアも。」


「ま、もしなんて状況にさせるつもりなんて毛頭ないがな。」


少し話が脱線したが、話を元に戻す。


「んじゃ次の質問だが…何故エリンを…エルフの姫を狙った?それに…魔眼のことを知っていたのも妙だ。」


「ある時、情報屋を名乗る男が、結界の外へ出ていた時に接触してきた。その男に、魔眼をもったエルフの事を聞いたんだ。…半信半疑ながらも、試しに私の呪術で、相手の持っている力を強制的に発動させてみた…想像以上だった。あの力があれば、エルフの次に計画していた獣人への進行も有利になると思った。」


(情報屋…な。あいつなら、何か知ってるかも知れねえ。)


「そいや、アジトの場所を聞いてなかったな。」


「我々の拠点の場所は…ぅが…がぁ…ぐぅう…。」


「!?」


突然、呪術師が苦しみだした。


(こいつ…まさか…!?)


その苦しみで、レオの掛けた催眠が解ける。


「この野郎…自分の体内に呪印を刻み込んでやがった…!!」


一応体への呪印に関してはレオ達もケアをしていたが、体内までは想定していなかった。


「ぐっ…うおおおおおおお!」


呪術師は大声を上げ、自身の魔力を練る。


「…自爆するつもりか。」


無駄だと言った様子で、レオは結界を張ろうとするが、


「ぉ…ガハッ…。」


魔力を練っていた筈の呪術師が、突然力が抜け落ちたように倒れた。その頭には、ナイフが一本突き刺さっている。


「…独断で殺してしまいましたが、駄目でしたか?」


呪術師を殺したのはルミナだった。


「いや…どうせ自爆して死んでいた。部屋が吹っ飛ばなかった分、こっちの方がいい。よくやってくれた。」


「…はい。」


「まあ、粗方知りてえことは聞き出せたし、吾郎達と合流するか。」


レオ達は死体の処理を看守に任せ、その場を後にした。

途中いくつかの魔法の説明がなかったのでここに載せておきます。といっても説明するほどの魔法はなかったと思いますが。


「レストレーション」


毒、麻痺、石化、混乱などのほとんどの状態異常を直せる回復魔法。習得難易度はそれなりに高い。


「ウィンド」


風属性の初級基本攻撃魔法。強風を起こして相手を吹き飛ばす。敵に攻撃する手段としてはそんなに強くないが、弱い飛び道具を押し返したりとそれなりに汎用性が高い。この魔法を応用して擬似的に飛ぶ事も可能。


「スリープ」


相手を眠らせる状態魔法。相手を捕獲する際のお供。(昔のポ○モンみたいですね。)寝不足の人間が安眠のために自分に掛けることもしばしば。説明欄が適当だと思うかもしれないが、書くことがないのだ。察してくれ。


「ヒプノシス」


相手を催眠状態にさせる状態魔法。さっきのは睡眠(寝るだけ)、こっちのは催眠(相手に暗示を掛けれる)なので間違えないように。この辺が英語の直訳なのは時間が押してたからである。


とりあえずはこんな感じですかね。


ここで説明するの今後もやるかもしれません。




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