第55頁 完全勝利
アクションパートもキリがついてしばらく穏やかな回に戻ります。アクションパートを書くのは好きなのですが、やっぱりその前後を疎かにしすぎると作品が成り立たなくなるので…アクションパートもですが、あまり他の登場人物同士の絡みも書けてないので、そっちの方も書き進めて行きたいです。
それぞれの戦いから少し経って、レオは目覚めたエルウィンの所にいた。
「…え、ええと…。」
「ん、どうした?まだ体調が悪いのか?」
「いや、その…君達、密着しすぎじゃない?」
以前もレオの上にミアが座っていたが、今回はその上、ミアががっつり腕でレオをホールドしている。
「初めての大仕事の後だからな…甘えてえ気分なんだろう…可愛いだろ?うちの妹。」
「…やっぱり本物が1番…。すぅ…。」
「…ま、まあ君達がそのままでいいならいいんだけど…。」
どちらかというとその後ろで少し怖いオーラを放っているルミナの方にエルウィンは若干引いていた。
「…結局、全部助けられてしまったな。」
エルウィンはレオ達に感謝すると共に、結局何もできなかった自分を恥じていた。
「まあ、エルウィンが本当にフラグ回収するとは思わなかったけどな…。」
「はは…内通者を行動させやすくするためのフリをするつもりだったんだけどね…申し訳ない。」
「…まあ、結構的に大成功だったからな。ナイス気絶。」
エルウィン達は、内通者がいることには気づいていた。が、それが誰なのかは特定できていなかった。
「ああ…そういや、これ返しとくぜ。」
そういって、レオは神器と呼ばれていた杖をエルウィンに投げ返す。
「おっと…危ないことするね。」
「まあ、別にいいだろ、レプリカなんだし。」
「…そうなんだけど、これも由緒正しきレプリカなんだから。」
そういって、エルウィンは自分のアイテムボックスを開いてそこに入れる。エルウィンは精霊術は使えないが、こういった役に立つ魔法をいくつか使える。
「…本物もその中なんだっけか?」
「ああ。…『この城の最も高い所に、自然を変える力を持つ神器を置く』…高いが場所じゃなくて地位の話っていうのが無理矢理臭いけどね。」
レフィーエ王国に昔から伝わる話を利用した罠に、今回は見事にハマってくれた。
「…何はともあれ、娘のこと、国のこと…何から何まで、君には頭が上がらないな。」
「そうだな、もっと感謝しろよ?」
「全くその通りだね。何かお礼をしたいのだけれど…。」
「そうだな…んじゃとりあえず、そっちの条件を後2つほど増やしてもいいか?」
レオは長生会との会議の時に言った条件のことを
口に出す。
「ああ、勿論だ。私に出来ることなら何でも言ってくれ。」
「まず1つ目だが…国政…特に対外関係については、ある程度ストラビアに都合の良い様にして貰いてえ。所謂最恵国待遇って奴だな。」
「ああ、元々そのつもりでもあったから問題はないよ。」
「それと2つ目は…。」
レオは2つ目の条件について話した。
「…わかった。本人には、後で私の口から伝えておこう。」
エルウィンは少し残念そうにいった。
「ああ…。あと、条件とは別にいくつかやらせて欲しいことがあるんだが…俺は先にやることがあるし、お前も本調子じゃねえだろうから明日にしとくわ。…今日はゆっくり休んでろ。」
「…そうさせて貰うよ。ありがとう。」
部屋を出た後、レオ達は監獄の方へ向かう。
「全く…終わってからもやる事は山積みだな。」
「レオ様…もしよろしければ、私が代わりにやりましょうか?」
「…いや、お前は俺の近くで待機してろ。」
「かしこまりました。」
「それじゃあやるか…生け捕りにした奴らの尋問を。」
これ書いてて思ったこと…エルウィン君が無能キャラになってしまった
違うんです、レオ達の活躍を際立たせるつもりがこうなってたんです。レオ達が有能すぎるだけなんです。
流石にこのままだと可哀想すぎるので、今後活躍する機会があるかもしれませんしないかもしれません。