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異世界獣人記 〜亜人の栄光を取り戻せ!〜  作者: ロール
第3章 森林の国と魔眼の姫
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第53頁 初実戦②

(プランB…生け捕りにすること…殺すのは簡単ですが、生け捕りとなると少し手間ですね。)


そう考えながら、ルミナは少しずつ間合いを詰める。


…先に動いたのは呪術師だった。


バックステップで距離を取りながら、先程やった呪印飛ばしをルミナに仕掛ける。


(…もうそれは見切りました。)


ルミナは余裕を持って避けながら、呪術師との距離を詰める。が、


「…!?」


突然バランスを崩し、一度距離を取った。


(体が…いえ、服が鉄の様に重くなっている…先程の呪印の効果ですか。)


メイド服の裾の部分を切り落とせば呪いの影響は受けないだろうが、


(このメイド服を切るのは、少し抵抗がありますね…。)


このメイド服は、レオから、


「暇つぶしに作ってたら思ったよりデカいのができた。大きくなったら着れ。」


と小さかった頃に貰い、以来今でも若干サイズがデカイがずっと着続けているお気に入りのメイド服だ。


そのため、切ることをやめ、飛んでくる呪印をナイフを投げて弾きながら、その場で2.3回ぴょんぴょんする。呪いによる重さを感じさせないような跳躍力だ。


(よし…大体把握しました。)


そして、着地した直後、もう一度呪術師に向かって突撃する。


(いつもと感覚が違うはず…なのに何故そんなに動ける!?)


呪術師は驚きながらも、攻撃の手をやめない。だが、ルミナには減速を抑えた最小限の回避で避けられる。ルミナは歩幅を調整することで、重さによる減速の変化に対応していた。調整のさじ加減は、ほぼその場の感覚と計算によるものである。


「くっ…。『ファイアウォール』!!」


呪術師も技を変えてくる。ファイアウォールは火属性の中級基本攻撃魔法で、敵の周りに炎の壁を作り、その壁を狭めて相手を焼き尽くす魔法だ。


(無詠唱!?ですが…)


ルミナは5メートルほどの炎の壁を軽く飛び越える。


(それより高いのを、何度も見てきましたから。)


そのまま着地して、呪術師に肉迫する。


(せっかくなので、少し試してみますか。)


「戦技…。」


そう呟いたルミナは、持っていたナイフを呪術師の頭上に向かって投げる。


フェイントだとわかっていても、一瞬、投げられたナイフに呪術師の視線が行く。


すぐに視線を戻すが、その頃にはもうルミナの姿はない。


「がっ…。」


呪術師の腹を肘で打ち、落ちてきたナイフを掴み、体制の崩れた呪術師の首裏をナイフの柄で突く。


「『縮地二撃』」


一見ただの攻撃に見えるが、ナイフの落ちてくるタイミングを合わせたり、相手に一瞬で接近する時に闘気が使われている。


呪術師は意識を失い、その場に倒れる。


(…余り実用的ではないですね。さて…。)


ルミナは呪術師のフードを取る。


「これは…!」


___________________________________


「うーん…なんというか…思ってたのと違うっていうか…。」


「ああ…何となく言いたいことはわかる。」


吾郎と美月は、多少苦戦することを予想していたが、蓋を開けてみればどっちもノーダメのまま3000人越えの相手をほとんど倒していた。


「てか美月、戦い始めてからずっと気になってたんだが…。」


敵を次々に倒しながら、吾郎と美月は会話をする。


「ん?どしたの?」


「…何でムチ?」


「あー…。」


この戦闘中、美月はムチで敵を薙ぎ払うように倒しまくっていた。ちなみに吾郎は、大外刈りで1人ずつ確実に倒していた。吾郎レベルになると相手に受け身を取らせる前に地面に叩きつけて一撃でノックアウトできる。その一連の動きの速度も異常で、一気に何人も倒せる美月よりも吾郎の方が倒した数がわかりやすく多い。


「振るときの感覚が、結構リボンと似てるんだよね。」


「そうなのか…?」


「いや、わかんないけど。まあでも初めて使う割にはいい感じじゃない?」


「え、初めてなの?」


「うん。買ったのつい最近だし。」


「…なんか自信なくすわ。」


そう喋りながらも、2人はどんどん撃破数 (キルはしてない)を重ねていく。勿論2人を無視して先に行こうとする者もいるが、その人数が増えないように2人が立ち回っている上、仮に先に行けてもエルフの弓によって串刺しにされる。逃げ出そうとする者がほとんどいない辺り、士気は高いといっていいだろう。


気付けば、こちらの軍勢は無傷のまま、敵が全滅していた。


「…終わったね。」


「ああ。お疲れ様。」


「にしても…ちょっとびっくりしたよね。」


「そうだな。まさか…。」


吾郎は倒れている敵の1人を持ち上げ、そいつの被っていた兜を外す。


「襲ってきた連中の正体が、人間だったなんてな…。」














少し後書きで書きたいことが多いです、お許しを


戦闘中の描写に関しては、まだ模索中ですが今回みたいな思考描写多めなのが結構しっくりきたので、勿論戦わせるキャラにもよりますがこの方式を取ろうかなと思います。


戦技については、飛閃のように闘気を飛ばしたりする、闘気をメインで使う技…と考えてた方もいるかもしれませんが、今回の縮地二撃のように、闘気がそこまで関与しない技も戦技にカテゴライズされます。

…これ以降、この戦技闘気使ってなくね?みたいな技も、威力を出す為などに闘気使ったりしてるものだと思ってください。曖昧な概念でごめんなさい。


戦技、魔法名は言わせたい派です…が、作者の気分で言わせなかったりします。無双シーンとかで一々言うのはくどいと思いますし。





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