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異世界獣人記 〜亜人の栄光を取り戻せ!〜  作者: ロール
第3章 森林の国と魔眼の姫
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第52頁 初実戦

エルウィンが倒れて少し経った頃、長生会の1人が、城の最上階の間の扉の前にいた。


「ここを通して欲しいのだが。」


扉の見張りの兵士に声を掛ける。この間には、自然を変える力を持つともいわれる、エルフの神器が置かれていると言われる場所であった。そこを守る者達だからか、ここの見張りの兵士は他の兵士よりも明らかに強者の圧を放っている。


「申し訳ありませんが、陛下もしくはその勅命があった者以外をこの間にお通しすることはできません。」


「…緊急事態だ。町には大量の敵が接近しており、肝心の陛下はお倒れになってしまわれた。このままでは、レフィーエは滅びてしまう…それを防ぐには、神器の力が必要なのだ!」


「…わかりました。」


長生会の男の必死の訴えもあってか、兵士は案外あっさりと扉を開けた。


「…これが…神器…。」


間の中央には、燦然と輝く杖があった。男は慎重に杖を握る。


「ふふ…これさえあれば…。」


男はその杖を眺めながら、邪悪な笑みを浮かべた。


______________________________


「……………………。」


珍しくレオと別行動のミアは、城の廊下で、壁とにらめっこしながら棒立ちしていた。


「……暇。早くにいやに会いたい…。」


そういったミアは、アイテムボックスを開いて中を弄り、


「ん…。」


レオをモデルにした人形…レオ様人形を取り出した。この人形は5歳の誕生日に貰ったもので、全部レオが手作りしたものだ。昔は愛用していたが、本人と基本一緒にいるなら本人でいいという結論に至り、最近はめっきり使う機会が減っていた。


「…落ち着く…。」


そういいながら、人形の髪に自分の顔をくっつける。この髪はレオ本人の髪を加工したもので、作った本人も貰った本人も最もお気に入りの部分だ。


少しの間人形を堪能していたが、やがてこちらに向かってくる気配に気づき、視線を壁に戻した。


「…やっぱり。にいやの言った通り…。」


そういった直後、目の前の壁が大きく壊れ、そこから2人の武装した者達が現れた。その2人は待ち伏せされていることに驚く。


「どうする…?」


相手の1人が相方に話しかける。


「…やるしかないだろう。我々の勝利のために。」


そういって、2人組は同時にミアに向かって攻撃を仕掛ける。その一連の動きだけで、この2人が相当の手練れであることはわかる。だが、


「「!!」」


ミアの元に届く前に、2人組は一瞬で距離を空けた。


「…惜しい。」


2人組が距離を空ける前の場所には、獣の口のようなものがあった。


「…出てきていいよ。」


ミアがそういうと、口の主…フェリとルリが、何もない空間から現れた。


「あれは…神獣フェンリル!?」


敵2人はその正体に動揺するが、すぐに切り替えて戦闘態勢を整える。


「…くうーん。」


フェリはミアに物欲しげな顔を向ける。


「…駄目。1人ずつ。」


「くぅん。」


仕方なさそうに、それぞれ違う敵に向き合う。


(もう少しこうしてよ…。)


戦いはじめる2匹と2人を横目に、ミアはレオ様人形をギュッとし続けるのであった。


___________________________________


場所は変わり、町の外の森付近にて、


(…案外素早いですね。)


ルミナは、今回の黒幕…かはわからないが、重要人物である呪術師を追いかけていた。追いつこうと思えば追いつけるのだが、相手に対する情報が足りないため、気配を隠して付かず離れずの距離を保って追跡していた。


(一体どこへ…この先にアジトでもあるのでしょうか?)


そう思った矢先、


(何かくる!!)


呪術師から何か魔力のようなものがルミナに向かって放たれる。ルミナは避けたつもりだったが、少し反応が遅れてメイド服の裾に掠る。呪術師は既にルミナの存在に気付いていたらしい。


このタイミングで呪術師が走るのをやめたので、ルミナもそれに合わせて止まる。


「…少し、油断したのは反省すべきですが…。」


掠った裾の部分には、何か印のようなものが刻まれている。


(なるほど。こうやって遠隔で呪印を刻めるわけですか…。)


ルミナは即座に状況を理解し、目の前の相手に向き直る。


呪術師は既にルミナに向かって構えている。


「…ばれていたのなら、仕方ありませんね。なら、プランBで行かせて貰いましょう。」


そういって、ルミナは自分のメイド服に隠された多数のナイフを取り出した。









わかった。ミアはレオから離すとキャラがおかしくなるんだ。けど物語の都合上別行動とかもする必要があるので仕方ないですよね。


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