第50頁 魔眼②
昨日(ほぼ今日)はハロウィンだったので、家に引き籠もったままアイスを2個食べました。
関係ないだろとかTwitterでやれとか言われそう(言われるほど人見てないけど)
すごいタイミングが悪いのですが、前半に新たな文章を差し込みました。途中からは変わってないので、そこだけ確認していただけると幸いです。すまぬ。
エリンが呪術師と接触した、少し後のこと…。
「た…大変です!」
エルウィンの元に、兵士が走ってきた。
「どうした?」
「町の南方から武装したローブの集団が向かってきています!」
「そうか…。」
レオからその可能性があると話を聞かされていたため、エルウィンは大して驚かない。
「何人くらいだ…?」
「…恐らく、3000人くらいいるかと…。」
「なっ…そんなに多いのか?」
人数は流石に想定外だったらしい。
「どうしますか?」
「ああ…別働隊がいる可能性もあるから、それぞれ最低限の警備は残して、後は迎撃に向かってくれ。」
「わかりました。」
「それと…うっ…。」
エルウィンが突然倒れる。
「…!陛下!大丈夫ですか!」
(今ここで…倒れるわけには…。)
気持ちに反して、エルウィンの意識は段々途切れていく。
「な…つ…しゃ…」
そう呟いて、エルウィンは気絶した。
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「はあっ…はあっ…。」
エリンは走る。呪術師のことは気がかりだが、仮に追ったとしてもエリン1人では返り討ちになるだろうし、そもそもそんなことを考えている場合ではない。
(早く…離れないと…。)
恐らくあの時、呪術師に何かされた…つまり、また魔眼が暴走する予感がしていた。町の真ん中で暴走したら、それこそ大惨事になる。だから、少しでも人の少ない所へ…町の外へ向かって、エリンは走っていた。
「はあっ…あっ!」
息も絶え絶えになりながら無我夢中で走っていたため、足元の窪みに気づかずつまづいて転んでしまった。
「ぐうっ…痛いよぉ…。」
盛大に体を地面にぶつけ、その際に膝が出血する。
(早く…起き上がらないと…。)
なんとか体を起こすが、上手く立てない。
「エリンちゃーん!」
「えっ…。」
後ろから聞き馴染みのある声が聞こえて、後ろを振り返る。追ってきていたのは、いつものおばさんだった。
「なんで…どうして…。」
「エリンちゃんが店の前を全力疾走しているのを見て、何かあったのかと思って後を追ってきたんだよ。それより、大丈夫かい!その怪我…」
エリンの身体能力が低いのは確かだが、割とあった距離を詰めたおばさんの身体能力はかなり大したものである。
「…!おばさん!今すぐここから逃げて!」
「ほ、本当に何があったんだい?」
「いいから早く!…このままじゃおばさんが…。うっ…。」
「エリンちゃん!?」
来た…あの時と同じ、目が焼けるような痛みが。
「こんな状態のエリンちゃん追いて、あたしだけ逃げるなんてできないよ!」
このおばさんの頑固な優しさが、今のエリンを辛い気持ちにさせる。
「お願い…逃げて…。」
苦しみながらも、必死におばさんに訴える。
「…わかった…。何もできなくてごめんね…。」
おばさんもようやく引き下がり、その場所から離れていった。
「これで…きっと…。」
辺りに人は居なくなった…そう思っていた。
「あたっ…。」
突然、エルフの子どもが目の前に飛んできた。奥の木の影にいた者の仕業だろう。その者はすぐにその場から去っていった。
「嘘…。」
このタイミングで、痛みが引いた。
「駄目…だめえぇぇぇ!」
もう、間に合わない。
目の前の子が、石になり始める。
「え…何…これ…。」
目の前の子の表情が、どんどん絶望に満ちていく。
「いや…やめて…助けてっ…誰か…。」
エリンも絶望しながら、助けを求める。その時ふと、ある人の顔が思い浮かんだ。
「助けて…レオ君…!」
その瞬間、後ろから誰かに抱き寄せられた。
「ったく本当…世話のかかる女だな…。」
「え…。」
「わりぃな。ちょっと遅くなっちまった。」
「…レオ…君…?」
エリンを抱き寄せたのは、間違いなく、ストラビアに帰っているはずのレオであった。
想像通りの展開…だと思うかも知れません。でも、やってみたかっんすよ王道展開…!こういうの好きなんすよ。