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異世界獣人記 〜亜人の栄光を取り戻せ!〜  作者: ロール
第3章 森林の国と魔眼の姫
58/93

第47頁 ニート、やめます。

タイトル変えるかも(ちょっといいの思い浮かばなかった)

「…遅え。」


レオが呟く。エリンが予定の時刻から30分遅れているのだ。


「…どうする?置いてく?」


ミアが待ち兼ねたようにいう。2人以外にも、ルミナと吾郎達もおり、割と大所帯である。


「いや、それじゃあ意味ねえんだが…。」


そもそも目的がエリンについて行くことのため、置いていってしまうのは本末転倒である。


「様子を確認してきましょうか?」


「いや…まあそろそろ来るだろ。」


レオの言葉通り、こちらに向かって走ってくる音が聞こえた。走る度に揺れる物体が周囲の注目を集める。美月が吾郎を少し睨むが、吾郎は気付かない。


「ご、ごめんなさ…はあっ…はあっ…。」


息も絶え絶えになりながら、エリンがその場で謝る。


「こんなに遅れるたぁ、いい妥協じゃねえか。」


レオが殴ってやろうかと言わんばかりに拳をならす。


「おいレオ、流石にそれは駄目だろ…それに理由くらい聞いてやれろ。」


「…それもそうだな。エリン、なんで遅れた。」


「…その…たくさん泣いて、レオ君のおかげで、胸の支えも大分とれて…それで、数ヶ月ぶりに、ちゃんと寝れたから…。」


「…つまり、寝坊したってことか?」


「…はい。」


「ほぉ…そうか…。」


レオが威圧的な顔をしながらエリンに近づく。エリンも覚悟して目を瞑るが、


ぽこっ


「あぅっ…あれ…?」


レオから飛んできたのは優しいチョップだった。


「…まあ、逃げなかっただけ上々だろ。言い訳もしなかったしな。」


「レオ君…。」


「ただし、次やったら今の1万倍力を入れるからな。」


「は、はい…気をつけます。」


吾郎や美月も安堵の表情を浮かべるが、


「…もっと強く殴ってもよかったのに。」


とミアだけは不満そうに呟いた。


「…そういえば、レオ君だけじゃないんだね。」


「ああ。こいつらも行きたいっていったからな。…行く前に紹介してやるよ。メイドのルミナ、妹のミア、後は親友の…こっちでの名前忘れた。まあそんな感じだ。」


「よろしくお願いします。」


「…。」


「エリンちゃん…だよね?私がヴィーラで、こっちのデカいのがグリーズだよ!よろしくね!」


「俺の紹介とられた…まあよろしく。」


エリンに対して1人を除いてそれぞれ挨拶した。


「う、うん…よ…よろしきゅ…。あ、噛んだ…。」


「その噛み方はあんまねえだろ…で、どこから行くんだ?」


「…最初は、やっぱり…。」


___________________________________


エリン達は、魔道具に保存されていた中で最初にルミナと話をしていた声の主…あのおばさんの店の前にいた。


エリンが無意識にレオの服の裾を掴む。


「…どうした?怖くなったか?」


「え…あ、ごめん!つい…。」


慌てて離した手を、レオが掴んだ。


「…不安なら、こうしといてやろうか?」


「…うん、ありがとう。」


ルミナは羨ましそうに自分の手を握り、ミアは少しむっとしていたが、何も言わなかった。


(なんであいつ、ああいうこと平然とできるんだろうな…。)


「…入るぞ。」


「…うん。」


扉を開けてすぐに、店主のおばさん(おばさんといってもエルフのためただの美女にしか見えないが)の姿が目に入った。エリンの手の握りが強くなる。


「いらっしゃい…うん?」


おばさんの方もエリンがいることに気づき、こっちに近づいてくる。レオは掴んだエリンの手を引っ張り、無理矢理前に出す。


「あ…え…。」


エリンは何ていったらいいかわからず言葉に詰まる。おばさんの方も、驚いた表情をしていたが、やがて、


「…おかえり。もう大丈夫なのかい?」


穏やかな表情でそういった。エリンは泣きそうな顔をする。


「…だいま。…ただいま…!」


エリンはついおばさんに抱きつく。おばさんの方も優しくエリンの頭を撫でた。


「…ありがとね。この子を外に出してくれて…この子の心を、救ってくれて。」


「…まあ、ただのついでだ。それに、心を救うだなんてそんな大層なことしてねえよ。」


レオは少し照れたようにそういった。


この日改めて、エリンの引きこもり生活に終止符が打たれたのであった。

















吾郎と美月の異世界での名前とか絶対忘れてた人いるよな…あと、ミアの正式名称はミアクリーナです。ただ別にそれ覚えてても何もない(と思う)んで正式名称は別に覚えてなくて大丈夫です。

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