第40頁 ニート姫①
あ、やべっ…お盆休みのせいで曜日感覚狂ってた
「ここが…お姫様の部屋か。」
レオ達は噂の婚約者の部屋の前にいた。
「んじゃ早速…ありゃ?」
レオはノックも無しに部屋のドアを開けようとするが、鍵が掛かっている。
「だ、誰かいるの…?」
部屋の中から声が聞こえる。今の音で気づいたのだろう。
「俺は、レオンハルト・ストラビア。お前の婚約者らしい…。で、お前の名前は?」
「えっと…エリン。エリン・レフィーエだよ。」
「そうか。」
レオは漸く自分の婚約者の名前を知った。
「エルウィンから話は聞いてる。入るぞ。」
「!?…駄目!入ってこないで!部屋に入ったら貴方も…」
「知るか。」
「え、ちょっと…!」
レオは魔法で鍵を開け。ドアを開く。
「きゃっ!いたた…。」
エリンはドアの前にいたらしく、開いたドアに頭をぶつけてその場にへたりこんだ。
そしてその状態で、レオとエリンの目が合う。
「あ…。」
綺麗な緑色の瞳に、瞳と同じ色の長い髪、美形揃いのエルフの中でも頭1つ抜けているといっても過言じゃないほどの端正な顔立ちをしている。しかし、
「なんつうか…すげえな。」
顔以上に、今まで見たことないレベルの大きな胸が、レオ達の注目を集める。レオの隣で誰かが舌打ちする音が聞こえた気がする。
「…っ!」
エリンの方も、レオのことを見続けていたが、何かに気付いたように顔を逸らし、体も後ろに向けてしまう。
「おい、何故避ける。」
「だって…またいつ私の力が暴走するか…そしたら貴方まで石に…!」
「あー…それでニート化してたんだもんな…」
エルウィンがいってた問題…それはエリンの《魔眼》が暴走したせいで、エルウィンを除いた他の家族が全員石化してしまったことである。エルフ達は石化をどうにか解除できないか手を尽くしたが不可能だった。それを気に病んで…それ以上に再度暴走することを恐れて、その日以来エリンは自分の部屋に引き篭もってしまった。
「それを何とかするために俺が来たんだがな…んじゃとりあえず…。」
そういって、レオはエリンに近づく。
「エリン、こっち向け。」
「!…でも…。」
「そんなん承知の上でいってんだよ。それに…俺は石にはならねえよ。」
「…わかった。」
エリンがレオの方を向くと、レオはさらに自分の顔をエリンに近づける。
(え、何!?近すぎるよ…もしかして…き、キス?…いくら婚約者だからって、私達初対面なんだよ?…で、でも…)
覚悟を決めたようにエリンは目を瞑る。
「…目ェ閉じんなよ。見えねえだろうが。」
「…え?」
「魔眼の暴走の原因を特定するために、お前の目をよく見たいっつってんだよ。」
「あ…うん…ごめん…。」
エリンは恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「一応聞くが、お前は普段から魔眼を使ってたのか…?」
「ううん。使ったことなんてないし…そもそも、自分にそんな力があるなんて、知らなかった。」
「なるほど…んじゃあ、間違いねえな。」
エリンの目の確認が終わり、レオは何かを確信する。
「わかったの?にいや。」
「ああ。これは…《呪い》の仕業だ。」
「呪い…?」
ついに新ヒロイン登場ですね…3人目でるまでに40話かかってるの草
さーて…どうしよっかなあ(まだ無計画)