第4頁 レオの1日 その②
安定の遅さ。本当にごめんなさい。
作ってるうちに主人公のイメージが当初から崩れていってるので、途中でキャラが大きく変わるかもです。
図書館を後にし、レオは走っていた。広間のように広い廊下を、猛スピードで、すれ違う人を驚かせる勢いで走っていた。成人の全力疾走並みの速さで、疲れることなくどこかに向かって走っていた。
数キロ走った後、またレオの耳がピクッと動き、走るのをやめ、歩き始めた。そして、少し歩いた後、自分の寝室につき、部屋に入った。
そこには、ぐっすりと寝ているミアと、レオと同じくらいの年の、ぴょこっとしたうさ耳が特徴の、メイド服を着た兎人族の女の子、ルミナ・フィルメイアがいた。ルミナの家は使用人の名家で、フィルメイアという名字もかつての王に与えられたといわれている。
ルミナはレオが魔法と出会うきっかけになった、その時の赤ちゃんで、その後も何度もここに来ており、レオがあそんであげたり、最近ではミアの世話のお手伝いをしたりしている。
「おはようございましゅ!レオしゃま!」天使のような可愛い笑みをしながら、ルミナが挨拶する。
(めっちゃ可愛いなこいつ…)
そう思いながら、レオは、「おはよう、ルミナ。」と返す。
「お前がミアを泣き止ませてくれたのか?」
「はい!」そういって、ルミナは得意気な表情をする。
「よくやったな、偉いぞルミナ。」そういってレオは、ルミナの頭を撫でる。
「えへへー…」満面の笑みを浮かべながら、ルミナの耳がぴょこぴょこ動く。
とても同い年とは思えない光景である。
ちなみに、ミアを泣き止ませることができるのは、レオ、ルミナ、リオーネの3人のみである。
その後、ルミナも交えて、昼食をとる。昼食作りはルミナも手伝っている。4歳で既に、包丁を使え、切り方をいえばその通りにできるため、将来有望だ。
昼食を終えたら、庭にでて、ルミナと遊んだりする。ミアは連れてったり、連れていかずにリオーネが面倒を見たりする。今日は連れ出している。
最初は魔法の練習をする。今日読んだ「ストーンプレス」を、実際に試してみる。最初は詠唱をきちんし、魔法のイメージを確立させ、次に詠唱なしで、魔法名だけをいって放つ。威力はほとんど変わらない。
「ストーンプレス!」
地面から岩が二つせり出し、その岩が近づき、間にあるものを押さえつける。一見地味だが、耐えれないとそのまま潰される為かなりえげつない魔法だ。
「レオしゃま、しゅごいでしゅ!」
ルミナは魔法を目を輝かせて見ながら、素直な賞賛を送る。ルミナも一度魔法を試そうとしたことがあったが、上手くいかなかった。本来獣人は魔法を使えるほど元の魔力が高くないため、加護で魔力があがらないと使えないらしい。加護なしで魔法が使えるレオが異常なのだ。
一通り魔法の練習をしたら、今度こそルミナと遊ぶ。鬼ごっこやかくれんぼが基本だったが、最近は、レオが魔法をうち、ルミナがそれを避ける遊びをやっている。使うのは安全な「ウォーター」の魔法だ。動きながら、レオは魔法の練習になり、ルミナは瞬発力が備わる。遊びながら訓練にもなる。まさに一石二鳥だ。
夕方になり、二人はミアを挟んで庭で座っていた。
「しょういえば、どうしてレオしゃまは魔法の練習をしゅるんでしゅか?」ルミナが質問をする。
「そうだな…単純に魔法に興味があったってのもあるが…」レオは少し考える。
「…旅をしてみてえな。この世界を見て回りたいと思ってる。世界には魔物がいるからな、魔法が使えれば、旅も楽になるだろ?」
「なるほど…」
「…ルミナ、俺の専属メイドになる気はないか?」
「しぇんぞく…?」
「ああ。要するに、メイドとして、俺とずっと一緒にいるってことだ。」
「…はい!私、レオしゃまのしぇんぞくメイドになりましゅ!しょれで、レオしゃまと、ずっと一緒にいましゅ!」満面の笑みで、ルミナが答える。
「俺のメイドは、普通のメイドの何倍も過酷だぞ。」レオが怖い笑みを浮かべる。
「レオしゃまのためなら、何倍辛くても大丈夫でしゅ!」自信ありげにルミナがいう。
レオが怖い笑みをしたままそれに何か言おうと…
「ふぇぇぇぇん!」
突然ミアが泣き出した。まるでこれ以上言わせまいとするかのようなタイミングで。慌ててレオはミアを抱き上げ、寝るまで優しく揺らした。するとさっきまでが嘘のように一瞬で泣き止み、少し経ってまた安らかな眠りについた。それを見て、二人は安心する。
「それじゃあ、そろそろ帰るか」
家に入り、夕食をとり、風呂に入り、そのまま眠りにつく。そうして、レオの一日は終わりを続けるのだった…。