第38頁 森林の国へ②
3日後の朝、レオ達は出発しようとする。主要のメンバーはレオ、吾郎、美月、ルミナ、ミア、ガルディス、ライネル、エネアだ。
「んじゃ…留守は任せたぞワンコ。特にミアの部屋には虫1匹通すなよ。」
「はい!任せてください!」
レオ達がいない間は、騎士団の一部が王宮の警備をする。ワンコ…ワンダはその警備隊の隊長に任命された。
「では、参りましょう。」
ルミナが馬車の扉を開ける。実際レオの場合自分で走った方が何倍も速いが、ライネルなどもいるし、王族同士の様式というものもあるのだろう。そのためにわざわざめったに使わない馬車を使い数日間掛けていく。
「よし、出発するぞ。」
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道中何事もなく、レフィーエ王国の首都、フリーツに着いた。首都といっても、レフィーエ王国の都市はフリーツ以外にないが。
「…意外と建物でけぇな。ただ…」
「…周りの木の方が、もっとでかい。」
レオとミアは、周りの風景に関して感想をいう。
その一方で、
「金髪じゃなかった…」
(え、ここにきて第一声そこ…?)
金髪エルフを楽しみにしていた吾郎は、その髪が緑色であることに少しがっかりしていた。
「まあ、緑髪もいいじゃない。耳とかもゲームで見る通りだし。」
美月は吾郎をフォローしようとしているが、内心ではちょっと安心している。
「にしても、本当に若い…それも美男美女ばっかりだな。」
ライネルも初めてきたため、率直な感想をこぼす。
「そうね。エルフは私達の10倍以上寿命が長いと言われているわ。一見同い年に見える彼らも、実際は私達の寿命より長く生きていたりするわね。」
エネアの言う通り、エルフは亜人族屈指の長寿種族である。
「くまやん。うさみみ。お前達は自由にしてていいぞ。俺達はレフィーエ国王達に会ってくる。」
「ああ、わかった。」
「あそこに露店っぽいところがあるよ。行ってみようよくまやん!」
「お、おい。あんまり引っ張るなよ…。」
2人と一旦別れ、レオ達は城らしきところに向かった。
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城に入るとすぐ、いかにも待っていた様子の男が、こちらに向かってきた。ガルディスはその男のことを知っているように前に出た。
「久しいな、ガルディスよ。よくきてくれた。にしても、偉く歳を取ったな。」
「10年経てばこんなもんよ…お前の方はちっとも変わらないな、エルウィン。」
ガルディスと現レフィーエ国王、エルウィン・レフィーエがお互いの再会を喜びながら握手をした。ガルディスはもういいおっさんになってきたが、エルウィンの方は未だに二十歳くらいの美男に見える。
「そういえば、お前はもう王ではなかったな。」
「ああ、こいつが今のストラビアの国王だ。」
そう言われて、レオはガルディスの隣に立つ。
「レオンハルトだ。呼び方はレオでいい。」
「わかった、レオ。お互いこれから大変になるだろうが、よろしく頼む。」
「ああ…。」
「さて、早速話をしよう。ついてきてくれ。」
そういって、エルウィンはレオ達を先導した。
(…ここの壁だけ、雰囲気が違うな。最近修理でもしたのか?)
道中、レオは壁の異変に気付いたが、余りにも些細なことだったので気づかないフリをした。
私は露骨な伏線を貼るのが苦手だ。それはわかった。まあ続けるけど。
キャラ設定回はこの章の終わりに作ります。
その前に前の章の用語解説回書かないとですね。