第35頁 恋と服
小数点話よりおまけしてる回。
本当は冒頭として使いたかったんだけど思ったより長くなってしまった…
「えっと…こうか?」
「いや、どうみても逆だろ。男で貴族服ちゃんと着れねえの初めてみたわ。」
「仕方ねえだろ、こういった服前世でも着たことねえんだから…。」
他の王族に会うため、吾郎もそれに相応しい服装に着替えようとしている。と、いうよりは、レオが面白そうだからという理由で着替えさせている。恐らく普通の格好だったとしても他は全く気にしないだろう。
「…これでどうだ?」
「お、やっと着れたか…っぷはっ…その服装やっぱ似合わねえなぁw」
「おい、笑うな」
「悪い悪い。でもそうだな…。」
「…?なんかおかしいか?」
「いや…お前がその服着てる時点でおかしい所しかないんだが」
「おい」
「とりあえず…一番上のボタンは外して…ネクタイはいらねえな。」
レオは少しずつ吾郎の服装を改善していく。
「よし…こんなもんだな。これで少しはましになっただろ。」
「ありがたいが…やけに服装にこだわるな。」
「…お前なぁ。たまにはこういった格好して、うさみみにいい見方されたくないのか?」
「…確かにそうだな。考えてなかった。レオ、ありがとな。」
「まあ、気にすんな。目的は別にそれじゃないしな。」
「そうだな。よし、行こう。」
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「こっち…いや、こっちの方がいいかな?どうしよう…どっちの方がいいの!?」
美月の方も着替えようとしているが、吾郎を振り向かせるための服装を未だに迷っている。
「失礼します。ヴィーラ様。」
「あ、ルミナちゃん。」
そこにルミナが現れる。ヴィーラとは、美月のこの世界での名前だ。
「まだ着替えてないご様子ですが…」
「そうなの。もう自分じゃ決めれなくて…ルミナちゃんはどっちの方がいいと思う?」
「そうですね…私はこっちの赤色のドレスがいいと思います。」
「こっちかあ…ちょっと派手過ぎないかな?」
「これくらい派手な方が、グリーズ様の目にも止まりやすいと思いますよ。」
「なるほど…ん? 私、ルミナちゃんにくまやんのことが好きっていったっけ?」
「それはレ…いえ、見てればわかりますよ。」
「そ、そんなにわかりやすかったかな私…。」
(むしろそれ以外でこんなに悩んでらしたら大分おかしいと思うのですが…)
「…とにかくありがとう。じゃあこっちにするね。」
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着替え終わった2人が合流する。
「あ、くまやん…。どう…かな。」
「あ、ああ…俺はすごく、似合ってると思うぞ。」
「ほ、本当?…よかった。くまやんもその服装、かっこいいよ。」
「そ、そうか?レオには笑われたけどな。」
「確かにあいつなら笑いそう。私はいいと思うんだけどな。」
「まあ、お前がそういってくれるならそれでいい。」
「へ、へえ…。」
吾郎の無意識なセリフに、美月は照れる。
「お前ら、こっちの方も準備オッケーだってよ。お前らに会うのを楽しみにしてる。」
「そうか…わかった。」
「それじゃあ行こっか、くまやん。」
「ああ。」
恐らく次回…もしくはその次くらいで一旦章を区切ります。…次回にしたいから次回長くなるな、頑張ろう。
章終了後にその章にでたメイン、準メインキャラ級の細かいキャラ設定(身長など)でも作ろうかと思いましたが、ぶっちゃけめんどくさい。というか全然考えてない。できたとしても次の章の途中とかになりそうです。