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第34頁 おつかい②

な、なんがあ…3回に分けた方が良かったかな


「…フェリ。」


その一言と共に、ミアは召喚魔術を発動する。何もない空間から突然、白色の獣が出てくる。


「え、な、なんだ…!?」


店主は驚いてその場に尻餅をつく。白色の獣はそれに近づく。


「ひ、ひい…食われる…!」


店主は腰を抜かしてその場から動けない。フェリはそのまま店主に近づいて…いくかと思いきや、途中で向きを変えて、壁に立て掛けられてた弓を口に咥える。


「…買っていい?」


ミアが聞く。完全に脅迫である。


「あ、ああ…。買っていいから、その獣はどうにかしてくれ。」


ミアはフェリから弓を受け取った後に召喚魔術を解除する。その後店主はびびりながらミアに会計をする。


「…今後、見かけでは判断しないように。」


そういった後に、ミアは店を出る。


(にいやの気配がない…。先に帰った?用は済ませたしミアも帰ろう)


____________________________


「ミア様、あの様子なら心配なさそうですね。」


ミアの思案した通り、レオ達は先に部屋に戻っていた。


「ああ…そうだな。」


「レオ様…あまり嬉しくなさそうですね。どうかなさいましたか?」


「なんつーか…このまま、ミアも自立していって、いつかは俺から離れちまうんじゃねえかって…。本当はいいことなんだろうが…やっぱり、寂しくてな…。不安なんだよ。もし、あいつがそう言い出した時、俺は素直に受け入れられるのかってな…。」


「レオ様…」


ルミナはレオをフォローする発言を考える。


「きっと、大丈夫ですよ。ミア様がそんなこと言い出すことなんて、全く想像できませんから。ですが…もし何かあったら、その時は私をご自由にお使いください。私は、貴方の従者ですから。」


それは、レオが命じれば、仮に未来にできるかもしれないミアの婚約相手だろうがこの世から消すというルミナ自身の覚悟の言葉でもあった。


「ルミナ…本当に、お前にはいつも、負担かけてばっかりだな。」


レオの不安な顔は晴れて、優しそうな表情で、ルミナを手招きする。


「レオ様…どうかなさいまし…!?」


レオは、ルミナを近くに来させると、ベッドに座り、ルミナの頭を自分の膝の上に乗せた。


「あ、あの、これって…」


「膝枕だが?」


「いえ、そういうことではなくてですね…っ!」


レオがルミナの耳を撫でると、ルミナはびくっとして脱力する。


「好きに使えっていったのは誰だったか?」


「あ、うぁ…ふぁう…。」


耳の気持ちいいとこを突かれ、ルミナは言葉にできないリアクションをとる。


「で、でも…従者が主人にこんなこと…」


勿論、ルミナはレオに甘えたいと思っているため、この状況は本心では満更でもない。しかし、やはり後ろめたさがあった。


「いいんだよ。俺が好きにやってることなんだから。主人の好意は素直に受け取るものだぞ?」


「…はい。」


ルミナはレオに知られた上でやられていることを悟り、今の状況を受け入れるようになった。


「…キスとかもしてやろうか?」


「ふぇっ?…いえ、あの…その…」


「ふっ…冗談だよ。それはまた話が違ってくるだろ?」


「…そう…ですね。」


ルミナは少し残念そうなトーンで返す。レオは内心笑っていたが、表には出さず気付かないフリをする。


「…あの…レオ様。」


「どうした?」


「レオ様は、転生前に好『ただいま…』」


悪いタイミングでミアが帰ってきた。


「おう、おかえり。」


ルミナは膝枕の状態で固まる。別に後ろめたいわけではないが、純粋に恥ずかしさがこみ上げてくる。


「…」


ミアは2人をガン見しながら近づいてくる。


「あ、あのこれは…」


何か言おうとするルミナの頭をどかして、ミアはレオの膝の上に乗りながらレオに抱きついた。


「…ミア、頑張った。褒めて。」


「ああ。頑張ったな。…それで、褒美は何が欲しい?」


「…だっこ」


「だっこでいいのか?」


「うん」


「…まあ、お前がいいならいいけどよ。」


そういって、レオはミアを抱き上げる。褒美でなくても、いつもやってもらっていることである。

しかし、


「…ルミ姉。」


「はい、ミア様。どうかなさいましたか?」


「…今日のだっこはいつもより、いい気持ちがする。」


「…そうですか。良かったですね。」


「ルミ姉はどうだった?」


「え!?その…とても、良かった、です。」


ルミナは恥ずかしそうにしながらいう。


「…そう。」


「なんだ、お前ら結構仲良くなってんじゃねえか。」


「うん…だからたまにならにいやをとっても許す。」


「たまに…ですか。」


「…いっとくが、俺はどっちのものにもなる気はないからな?お前らはどっちも俺のものだがな。」


「うん。ミアはにいやの所有物。」「はい、心得ております。」


「…そこまで清々しく肯定されるとやりづれえな。」


こうして、ミアの初めてのおつかいは無事に終了したのだった。ちなみに、武器屋の店主は後にミアの正体を知り、レオ達に何度も土下座したらしい。





内容…いや自分でもね、今やることかと思いましたよ?

でも書きたくなっちゃったんだもん。

ちなみにストックがなくなったので1週間分遅れるかも知れません。


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