第33頁 おつかい①
①の文字でお察しかと思いますが、おつかいだけで話を跨ぎます。場面転換多いんじゃ。
おつかいかあ…私多分1人でおつかい行ったことないんですよね。兄弟と言ったことはあったと思います。まあその頃からお家大好きどインキャ君だったのでしょうがないですね。
「ルミナ、何かいい案はないか?」
「そうですね…おつかいとかどうでしょう?」
「おつかいって、いきなり外に行かせるのか?それは流石に危険すぎないか?ミアは王族だし、命を狙ってる奴も少なくないはずだぞ。」
ミアのことになると途端にレオは過保護になる。
「レオ様がいいますか、それ。」
「俺は全部返り討ちにできるからいいんだよ。仕事ほとんど兄貴達に押し付けたから基本暇だしな。」
「それならミア様だって大丈夫でしょう。そのための先程のフェンリルでは?」
「…」
レオは何も言い返せなかった。
「おつかい…何をすればいいの?」
「そうだな…とりあえず、弓を1張買ってくれるか」
「いきなりそんな物騒なものおつかいに行かせるんですか?というか、何に使うんですか?」
「…まあ、一つ試したいことがあるからな。」
「わかった…それだけでいいの?」
「あ、ついでに私からもいいですか?」
「えぇ…」
ミアは普通に嫌そうな顔をする。当然だろう。そもそも、従者が主人の妹におつかいを頼むのがおかしい。
「…仕方ない。ルミ姉はさっき助けてくれたし。で、何買ってくればいいの?」
「調味料をいくつか買って欲しいのですが…あ、メモをお渡しします。」
「…わかった。」
ミアは一応了承する。
「服装は…大丈夫だな。ほら、地図とお金。余った分は持っとけ。」
「ありがとう、にいや。あ、行く前に…ぎゅー。」
ミアはもう一度レオを抱きしめる。
「それじゃあ、行ってきます。」
「おう、行ってこい。」
(あ…。)
ミアが部屋を出るのとほぼ同じタイミングで、レオはサングラスを掛けた。
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(この辺に…あった。)
ミアは先に、ルミナの調味料を買いに行く。場所は王宮近くの、ルミナ行きつけの店だ。
ミアはとりあえず店主に近づく。
「お、どうした嬢ちゃん、お使いかい?あれ、どっかで見たことあるような…。」
「これ、ちょうだい。」
店主の言葉をスルーし、メモを渡す。店主は苦笑いしながら、メモに書かれたものを持ってくる。
「ほい。これであってるか?お代は…」
「これで足りる?」
「あ、ああ…これ、おつりだ。」
おつりを受け取ったら、さっと店を出る。店主は一体何だったんだといった表情をした。
(…にいやの匂いがする。)
ミアはレオが尾行していることを感づいていたが、気づかないフリをして武器屋に向かう。
(…ついた。)
武器屋に入ると、店主らしき人物が、怪訝そうな目でミアを見る。一瞬外で、ミアになんて目を向けてんだと誰かのものすごい殺気を感じた。
「…何?」
ミアも視線に気付いて、店主に聞く。
「悪いが、ただの女の子に売れる品物はない。大きくなってから出直しな。」
店主のいうことはごもっともである。が、ミアは引き下がらない。
「…フェリ。」
次回、店主死す(嘘です)。
ものすごく中途半端なところで終わってますが、まあ色々あったので察してください。