第31.5頁 従者と妹
あ…(もう言わなくてもわかる定期)
小数点回ではありますが、割と大事な回のつもりなので是非見てください
レオ達と別れている間、ミアとルミナは、レオの部屋で話が終わるのを待っていた。ルミナは家事を行い、ミアはレオのパンツの匂いを嗅いでいた。
「…」
「…」
2人とも一切言葉を交わさない。お互いに長い付き合いであり、それぞれに対して高い信頼は持っているが、2人での会話はほとんどしたことがない。
「…にいやが危険!?」
ある時、突然ミアが口を開く。ちょうど、レオが吾郎に関節技を決められてる時だ。遮音結界で聞こえないはずだが、レオがミアに対する危機を知らせる謎センサーがあるのと同様に、ミアもレオに対して謎センサーが働くようだ。
「行かないと…!」
ミアは部屋を飛び出そうとする。しかし、
「ミア様!お待ちください!」
ルミナがミアの行手を阻み、止めようとする。
「でも、にいやが…!」
「落ち着いてください。レオ様なら大丈夫ですし、いざとなったらこちらに連絡が来るはずです。」
「…そう…」
ミアはレオに向かうのをやめたが、下を向いて、すごく不満そうな顔をする。
「ミア様…どうかなさいましたか?」
「…ずるい。」
「え…?」
「ずるい。ルミ姉ばっかり、ずるい。」
「えっと、何を…?」
「ルミ姉は、にいやに沢山頼られてる。家事だって任されてるし、にいやの仕事や作戦も手伝ってる。ご褒美だって貰ってる。でも、ミアはにいやに頼られたことない。ミアだってにいやの役に立ちたい…だから、ルミ姉がずるい。」
「ミア様…!」
ルミナは驚きを隠せなかった。客観的に見ても、明らかにミアの方が大切にされている。少なくとも、ミアがルミナに対して嫉妬しているなんて微塵も思っていなかった。それに、ミアがルミナに対してこんなに本音をぶつけるのも初めてだった。
「でも、それなら私だって、ミア様が羨ましいです。レオ様はミア様には無償の愛を注いでいらっしゃいますし、ミア様のお願いならレオ様はどんなことでも叶えようとしてくださる。そんなミア様がずっと、羨ましいです。」
「それは知ってる。」
ミアの返答にルミナはちょっとイラッとするが顔には出さない。
「一度、レオ様に話してみましょう。私もご協力致します。」
「…いいの?ルミ姉の仕事を奪うかも知れないのに?」
「構いませんよ。」
ミアはルミナに嬉しそうな表情を初めて見せる。そしてその表情のままルミナに抱きつく。
「ありがとうルミ姉…!にいやがダントツ1位だけど、ルミ姉のことも好き…!」
「私もお慕いしておりますよ、ミア様。」
ルミナもつられて笑顔になる。
これ以降、ルミナとミアの仲は良くなり、2人の時も割と会話をするようになったのだった。