第31頁 報告
今回は少し早めに予約投稿しておきました。偉いぞ私…!
「レオーっ!久しぶり!イェーイ!」
美月とレオは再会のハイタッチをする。
(なんだこのノリ…俺の時と違いすぎない?)
「くまやんもイェーイ!」
「い、イェーイ。」
吾郎も含めて今度は3人でハイタッチする。
「んじゃルミナ、こいつらと3人で色々話してえから、ミアを頼む。」
「わかりました。ミア様、部屋へ戻りましょう。」
「うん…にいや、また後でね。」
「おう…さて。」
2人が去った後に、レオは遮音結界を張る。
「別に聞からたらまずいことを話すわけじゃねえが、念のため、な。」
「…ホントお前って息を吐くようにすごいことをするよな。それじゃあ、それぞれ会う前のことを話す前に、とりあえず…。」
吾郎はこのタイミングで満面の笑みになる。
「レオ、正座。」
「あっ…。」
尾行してたことは、普通にバレていた。
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「…で、何であんなことしたんだ?」
「痛っ…くねぇ!痛くねえけどこれ以上はやばいって!何か変な感覚するから!人としての大切な何かを失っちゃうから!」
吾郎がレオに完璧な寝技を決める。レオにこんなに容赦ない接し方ができるのは吾郎と美月だけである。レオも本気で抵抗はしない。
ちなみにレオには加護によって痛覚無効という、痛み(とついでに熱いなどの直接的な熱感覚)を感じないという能力を持っているが、それ以外の感覚はある程度残っている。全国クラス+異世界チートの吾郎の寝技は痛い以外にレオを苦しめるやばい感覚を感じさせることができる。
「ほら、何でやったか言ってみろ。」
(本当のことなんて言えるわけねえだろ…)
「もし美月じゃなかったらって考えたら不安になって、ついな…」
苦し紛れの言い訳でごまかそうとするレオ。
「…」
ギュッ
「ダメダメダメダメ!悪かった!俺が悪かった!いやただ2人が再会した時の反応が面白そうだと思っただけだから!だから許して!許してえぇ!」
結局吾郎には見透かされ、本当のことを、2人が両想いであることを伏せて言うはめになった。
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「なんか、色々大変だったんだね。」
「まあな。今はそれに備えて戦力を集めてるってわけだ。」
レオは転生してからあったことをざっくり話した。
「ちょっと羨ましいなぁ…俺なんかそんな濃いイベント全然なかったぜ?」
「こっから山ほどある。楽しみにしとけよ。」
「そうだな…とりあえずはこんなところか?そういや、俺達ってどこで生活すればいいんだ?」
「王宮の部屋を空けてある。好きに使え。それと、周りに話は通したが、挨拶はしておこう。今日の夜は部屋にいてくれ。」
「了解。王宮暮らしかぁ…ちょっと緊張するね、くまやん。」
「ああ、そうだな。」
「んじゃそんなわけで」
レオは遮音結界を解いて、ルミナ達を呼ぶ。
「ルミナ、2人を部屋まで案内してくれ。」
「わかりました。では、ついてきてください。」
そうして、部屋にはレオとミアだけが残る。ミアはレオにくっつくが、いつもと様子がおかしい。
「ミア、どうかしたのか?」
少し緊張した面持ちでミアはレオの顔を見上げる。
「あのね、にいや、お願いがあるの。」
「お願い?なんだ?」
「…ミアにもにいやを、手伝わせて欲しいの。」
それはレオにとっては、意外なお願いだった。
チートスキルを全然生かせないところで公開してくスタイル。いや、痛覚無効はそんなにチートスキルでもないな。そのスキル持ってない人は精神力で痛み耐えてるんだからそっちの方がすごいね。
正直レオには誰にも逆らえないようにするか迷いましたが、こっちの方が面白そうだし、私自身がレオにも感情移入しやすくなるので、3人の関係は割と対等でいこうと思います。作者の意向は絶対なのです。