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第25頁 戴冠式

1週間が過ぎて、戴冠式になった。

全員が正装をし、特にレオは、王子だった頃よりもさらに豪華な服装になっている。


「これ、もっと似合わねえだろ…。」


「そんなことない、にいやは何でも似合う。」


「そうですよ、自信持ってください、新陛下。…ぷっ。」


「おいルミナ、今笑ったよな?」


ルミナも大分、3人でいるときは仕事モードでない自分を見せるようになった。そんな姿に、レオも少し安堵する。


_____________________


割と堅苦しかった戴冠式を終え、今度は民衆に対して演説をする。あの事は言わないといけないため、流石のレオにも緊張の顔をする。それを察したのか、ミアがレオの手を握る。ルミナも、そっと、レオの背中を押す。


「…ありがとな、2人とも。」


そういって、レオは演説の舞台に立つ。目の前には、数えきれないほどの獣人がいる。


「あー…今日から、このストラビアの国王になる、レオンハルトだ。」


魔法で声を拡大して、いつもの調子でレオは演説を始める。


「俺が王になるに当たって…はじめに言わなきゃならねえことがある。」


そうして一度、息を整えてからいう。


「亜人大結界を、解除させる。」


周りがざわつく。一瞬理解できないといった様子のあと、頭を抱える者、どうするんだと騒ぎ出す者などが現れる。


「そんなことさせて、国が…亜人が滅んでもいいのか!非国民…いや、亜人の敵め!」


鳥人族の男がそう言い出したのをきっかけに、

多くの人がレオを非難する方向になる。


こうなるのは予想していた。だからこそ、本気で怒るフリをする。


「うるせぇなこのチキン野郎…唐揚げにされてえのか?」


とてつもない殺気を放ちながら、言い出した鳥人族の男を睨みつける。


その男の「ひいっ」という声の後、辺りは沈黙に包まれる。


「…僕は、信じるよ。」


沈黙を破ったのは、以前に迷子だったところを助けた少年、ホットだった。


「王様のお兄ちゃんは、迷子だった僕を助けてくれたもん!敵だったら絶対そんなことしないもん!きっと何か理由があるんだよ!」


言葉の説得力はほとんどないようなものだが、こんな少年がいったことで、多くの人の心が動いた。


(あいつ…1週間で成長しすぎだろ…)


レオは心の中で驚きながら、演説を再開する。


「俺は、ミアが好きだ。」


レオはいきなり公開告白のようなことを言い出す。


「だから、ミアのためなら、なんだってやる。結界の解除も、その1つだ。」


そういうと、また、辺りがざわつきだす。


「だが、これはきっかけだ。今までずっと引き篭ってきた俺達亜人族が、外の世界へと進出するためのな。」


ざわつき方が少し変わり始める。


「確かに、お前らだけじゃ、人間や魔族どもに蹂躙されておわりだ。だが、俺がいる。俺がノコノコやってきた奴ら全部返り討ちにして、お前らを種族の頂点に導いてやる。」


今度は大量の魔力を、辺りに放つ。

ただの妄言にしか聞こえなかった言葉に説得力が生まれていく。


「それに、亜人大結界の解除は、獣神のお告げでもある。獣神は、俺達が勝つことを信じている。」


その言葉とともに、大量のお告げの紙がばら撒かれる。この国にとって獣神の存在は大きい。少しずつこちら側に傾いていった人々の心を一気に傾かせる。


「だから、俺を信じろ。俺達を信じる獣神を信じろ。現状に満足するな。もっと高みを目指せ!」


話すレオの態度にも、熱さが増していく。


「亜人族を舐めてる雑魚どもに、俺達の強さを証明してやれ!」


レオの盛り上がりと共に、人々も盛り上がっていく。


「今こそ、革命の時!」


盛り上がりが最高潮に達する。


「亜人の栄光を、取り戻せ!!!!」


____________________________


「はあ…疲れた。」


演説が終わった後、記念パーティーをし、やっと解放されたレオは、倒れるようにベッドにうつ伏せになる。ミアは既に寝てしまっている。


「素晴らしい演説でしたね。」


「まあ、半分詐欺みたいなものだけどな…。」


レオが魔力を放った時、魔力には軽い催眠のような効果を付与していた。それによりレオの言葉に対し、感情が動きやすいようにしていた。


(公開告白、ちょっと羨ましかったな…)


「どうかしたか?」


「…いえ。なんでもありません。」


笑顔でごまかすルミナに、レオは少し腑に落ちない顔をする。


こうして、長かった戴冠式の日が終わった。











タイトル回収!ウェイ!

大分ご都合主義感出てしまいましたが…半分わざとです。

とりあえずレオが王になるまでを1つの山にしていましたが、章自体の区切りは結界が解けるまでとしようと思います。


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