第24頁 会議
最初にいっておきます。グダパートです。
「んぁ…」
レオが目を覚ます。いつもと同じ朝だが、いつもの気配を感じない。
(あ、そうか…今日ルミナ休みだったか…)
とりあえず、レオは体を起こそうとすると、手に柔らかい感触がする。
むにっ「んぅ…」
感触の正体は、密着しながら寝ているミアの胸だ。ほとんどないように見えるが、この感触がふくらみの存在を証明している。
(寝ている時の反応も可愛いな…。)
惚気ながらも、そっと手を離そうとすると、ミアがその手をガッチリ掴む。
「…にいやぁ…もっと…。」
(…これ、寝てる…のか?てか、「もっと…」って。こういうのは普通「だめ…」とかいうところだろ)
今度はミアの頬をつついてみる。これまたんっと可愛い反応をする。
(あ…指食われた。)
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「それでは、新たな王が決まってこれから色々な方針を決めるために会議を行う。」
ガルディスの一言から、王族の会議が始まる。参加するのは、王戦の3人と、その母親2人、後はミアがレオにくっついている。他にもう一人、レオの姉にあたる人物がいるのだが、以前のライネル同様、ずっと彼女の母親の方で暮らしていて一度も面識がなく、今回の会議の参加も辞退している。
「で、まず、最初の確認だが…リオン、ライネルが辞退したため、次の王はレオだ。それは間違いないな?」
それに、リオン達3人はうなずく。
「そうか…なら、今後の方針を、レオに話してもらいたい。いいか?」
「…ああ。」
そういって、レオは改めて周りと目を合わせた後、すっと立ち上がる。
「それじゃあ、いくつかあるから、重要そうな順に話すぞ。まず…。」
そうして、少し間を置いてから、はっきりという。
「亜人大結界を、解除させる。」
「なっ…!?」
ライネルが思わず声を上げる。他の者達も、ミアを除いて、驚くような表情をする。
「結界の解除なんて、正気か!?そんなことしたら…」
ライネルは声を荒げて反論しようとするが、
「解除させなければ、ミアが死ぬ。」
「!!…」
レオの返答に、ライネルは何も言い返せなかった。レオのミアに対する行動力は、嫌というほど痛感している。
「それに…先日、獣神様よりお告げの紙が届いた。結界の儀式を行うな。とな。」
ガルディスが口添えする。
「…解除させて、何とかなるのかい?」
リオンが聞く。
「さあな…だが、何とかするしかなければ、何とかするだけだ。」
「そう…外交とかはどうするつもりだい?」
「手当たり次第に攻撃するつもりはねえ。戦う相手は選ぶ。」
「…ならよかった。」
リオンも納得する。
「…これで異論はないな?」
レオの言葉に、全員頷く。
「よし、じゃあ次の話だ。」
とりあえず一番重要な話が落ち着いて、皆の緊張も少し緩んでいる。
「政治についてだが、俺はあんまりやる気ねえ。だから、リオ兄達にやってもらいたい。」
「わかったけど…何をすればいいの?」
リオンは快く承諾する。
「そうだな…財務がリオ兄、それ以外全部ライ兄だな。」
「俺への比重すごすぎないか!?」
「おいおい、そんなこともできねぇのか?」
「にいや、ライ兄は役に立たない…他の人にやらせた方がいい。」
「それはちょっとひどくないか…?」
あの一件以降、レオ達のライネルに対する態度がひどくなっている。
「しゃあねえなあ…じゃあ内政の主をリオ兄、外政の主をライ兄でいいか?最初の外交と軍事は俺がやる。」
「それならまだいける…か?」
「僕の方はそれで大丈夫だよ。」
二人ともそれに賛同する。
「内政の方には、使える奴を補佐に回す。後は何かあったら教えろ。そん時はなんとかする。」
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「以上で会議を終了する…。なんだよ、俺なしでも全然大丈夫そうじゃねえか。」
その後、色々話が決まった後、ガルディスが安心するようにいう。
「だからといって、途中で寝てもいいわけじゃないのよ。貴方。」
リオーネが冷めた目でいう。ガルディスは頭を掻きながら笑ってごまかす。
「戴冠式は1週間後だ。それまでに準備と、やり残したことをやっておけ。」
真剣な表情に持ち直しいったガルディスの言葉に、全員が頷く。
「以上だ…解散!」