第23.5頁 ルミナの休日⑤
服を買った後、今度はアクセサリー屋に行ってアクセサリーを見たり、劇場で劇を見たりしました。劇を見て泣いているルミナさんを見るのも新鮮でした。
「劇、とても良かったですね。」
涙を拭いながらルミナさんがいいました。
「そうですね。最後に、行きたいところがあるんですけど、いいですか?」
「ええ、構いませんよ。」
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「わぁ…綺麗…!」
私が案内したのは、ストラビアの街並みを眺めれる場所でした。自然と文化が共存しているストラビアの景色を、一番よく見られるこの場所は、昔から私のお気に入りの場所でした。
「小さい頃に、父にこの場所に連れて行ってもらえて…以来、何かあったときは、いつもこの場所に行くんです。この景色を見てると、自分のちっぽけな悩みなんて、どうでもよくなるから…。それに、自分がこの街が好きなんだなあと改めて思えるんです。」
「そんなに、大切な場所なんですね。」
「はい!ちなみに、私がこの場所を教えたのは、ルミナさんが初めてなんですけど…あっ。」
街を見ながら話しているとき、ついあるものを見つけて、思わず反応してしまいました。
「あっ?」
「い、いえ、何でもないですよ!」
「なんか、すごい怪しいですね…」
慌ててごまかそうとしましたが、そこから目を逸らしたせいで逆に勘付かれました。
「その方向に何かあったんですか?」
ルミナさんが見ようとするのを、私は懸命にブロックしようとしますが、あっさり突破されます。
しかし、
「…? 何もないじゃないですか。」
ルミナさんには見つからなかったようです。私が見たのは、レオンハルト殿下とミアクリーナ殿下が手を繋いで歩いているところでした。どうやら、ルミナさんが見る頃には建物の裏に隠れて見えなかったみたいです。見たら気まずくなってたと思うので見られなくてよかったと思いました。
「…今度、レオ様と一緒に見たいなあ…。」
「い、いいんじゃないですか?」
ルミナさんの言葉に、本当は気付いてるんじゃないだろうかと気が気でなりませんでした。
「カディアさん。今日はとても楽しかったです。ありがとうございました。」
「はい。こちらこそ。また行きましょうね!」
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「…と、報告は以上です。」
「そうか、ご苦労だったな。」
とりあえず、私は行った場所と、一度だけガラの悪い連中に絡まれたことを報告しました。
「ところで、ルミナは何かいってたか?」
「いえ、特には…(流石に惚気話のことをいうのはやめておこう…) あっでも、一つだけ。」
「なんだ?」
「一緒に行きたい場所があるとはいってました。」
「そうか。」
「今度、一緒に行ってあげてはどうですか?」
「…考えておく。」
私は他人事のはずなのに、小さくガッツポーズをしていました。
(ルミナさん、頑張ってください。私は応援してますよ!)
これにてルミナの休日完結です!このすぐ後にルミナの休日おうち編もやろうか考えましたがやめました
また違う形でルミナの休日をやるかもしれません!
こうご期待(多分誰も期待してない)