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第21頁 王国騎士③

「殿下、久しぶりー。」


そういった彼女は、メリシア・ディマートといいこの王国騎士団の団長をしている。種族は羊人族で、まだ若く、普段から眠そうで脱力感があり、団長の威厳というものを感じさせないが、実力は騎士団の中でも頭1つ抜けている。


「おう。また寝てたのか。」


「うーん、まぁねぇ。ふあ…。」


そういって、メリシアは無防備にあくびをする。


「それにしても、また大きくなったねえ、殿下。」


そういって、メリシアはレオに近づき頭を撫でる。レオが小さい頃からやっているが、今は身長もほとんど同じくらいになっている。会った当初からこんな感じで、怖いもの知らずな所も、メリシアの魅力の1つである。レオもそこまで嫌そうにしてないが…。


「フシャーーーーー!!!」


という声を出しながら、ミアがメリシアを睨んでいる。メリシアが嫌い…というよりは、慣れ慣れしくレオの頭を撫でるのが気に入らないだけである。


「ミア殿下も大きくなったねえ。」


そういってメリシアはミアの頭も撫でようとするが、ミアは逃げるようにレオの後ろに回り、レオの足に捕まりながら睨み続ける。


「これは嫌われてるなぁ…。」


メリシアは少し残念そうな顔をして下がり、レオがミアの頭を撫でて落ち着かせる。これも昔からの流れである。


「団長!起きたのなら仕事手伝って下さいよ!」


そういって、また別の騎士がこっちに近づいてくる。


「うっ。」


メリシアが少し嫌そうな顔をする。


「あ、レオンハルト殿下、ミアクリーナ殿下、ご無沙汰しております。」


そういって、丁寧に頭を下げたのは、副団長のブレッドという馬人族の男である。年齢はメリシアと同じくらいで、適当な性格のメリシアの分、こいつがしっかりしている。メリシア以外にも騎士団は問題児が多いので、この男は俗に言う苦労人ポジションである。


「ほら、書類仕事しますよ。寝るだけが騎士団長の仕事じゃないんですからね。」


「えぇー。面倒臭いよぉ…。」


露骨に嫌そうな顔をするメリシアを無理矢理引っ張っていこうとする。


「それでは殿下、失礼します。」


「いや、ちょっと待て。その前にお前達に話したいことがある。」


「話したいこと…ですか?」


_____________________


「なるほど、結界を解除して、外の世界に進出する…ですか。」


レオは4人に、結界解除についての話をした。


「まあ、絶対戦うことにはなるだろうな…。最悪、人間族全てと魔族全てとの連戦だ。はっきりいって、今の何倍も危険になるだろうな。」


「なんですか…それ。」


ワンダが口を挟んだ。そこには色々な事情があるが、単純に考えれば、むざむざ自分から亜人族を危険にさらしているだけである。反対してもおかしくない、いや、反対するのが普通だろう。


「めちゃくちゃ…わくわくするじゃないですか!!」


しかし、ワンダは反対どころか、とても期待の表情を浮かべていた。


「反対されると思ったが…意外だな。」


「殿下。騎士団には、戦いが好きな奴がほとんどですよ。それに、殿下に教えてもらって、僕たちは強くなった。それを実戦で試せるなんて、最高じゃないですか!」


「うおおおおおお!燃えて来たあああああ!」


「外の世界に、絶好のお昼寝スポットとかあるかなあ。」


「3人が賛成なら、僕も賛成です。」


ブレッドだけ少し消極的だが、4人とも賛成であった。


「いいのか?死ぬかも知れないんだぞ?」


レオは念押しして聞く。


「そんなの、騎士団に入った時から覚悟してますよ。」


「騎士として戦って死ねるのなら、本・望!」


「大丈夫だよお。それに…私が死なせないから。」


メリシアが普段とは違う雰囲気を放つ。この時々見せるかっこよさは、ものすごい頼もしく感じさせる。


「まあ、ならいいんだがな。手間が省けた。」


「「「手間?」」」騎士達4人は首を傾げる。


「反対したら、調教してたってことだ。」


レオが怖い笑みを浮かべる。4人は内心、反対しなくてよかったとほっとしている。


「そうと決まれば、とっとと仕事を終わらせますよ。」


そういってブレッドはまたメリシアを引っ張っていく。


「いやあああ。助けて殿下あぁ。」


そういって手を伸ばすメリシアをレオは見て見ぬふりをする。ミアがあっかんべーをしている。やっぱり嫌いなのかも知れない。


「よし!俺ももう30周だ!うおおおおおお!」


そういって、ダクトもその場を猛ダッシュで離れる。


「お、俺もついていきます!おおおっ!」


ワンダもそれに続く。


「にいや、この後どうするの?」


「うーん…特にねえなあ。ま、帰るか。」


「うん…。あ、にいや。」


「どうした?」


そういうと、ミアは座っているレオの頭を撫でた。


「上書き。」


「何の上書きだよ。」


「…頭の?」


「それだと大分意味が変わるんだが?」


「…とにかく、いこ。」


(誤魔化したな…可愛い。)


いないルミナを蚊帳の外にし、イチャイチャする二人であった。

















ミアもキャラが安定しない…兄妹揃ってか

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