第19頁 王国騎士①
キャラの設定、特に獣種のネタがすぐになくなりそうです。そろそろ被せるかも…。
「おっちゃん!いつもの1つ!」
「おう!今日は随分早いな!」
「昼から訓練だから、早めに食べておきたいんだ」
王宮から大分離れた町の店で、レオと同い年くらいの青年が料理を注文する。彼は犬人族で、名前はワンダ・コールという。王国騎士になってから、この店にはよく来るようになった。
「へいお待ち!今日も頑張りな!」
「ありがとうおっちゃん。いただきます!」
決まった順番で料理を食べ進めながら、その味わいを楽しむ。大衆向けの味付けがよくて、値段も安く料理が来るのもはやいため、ワンダはこの店をとても気に入ってる。店主のおじさんとも完全に顔馴染みだ。
「…悪くはないが、やっぱりちょっと物足りんな。」
そう隣でつぶやく声が聞こえる。どう思うかは人の勝手だが、それでも自分のお気に入りの店に文句を言われるのは腹が立つ。それに、思っていても口にしないのが普通だ。だから、何か言い返してやろうとした。
「おい、あんた…!?」しかし、つぶやいた奴の顔を見た瞬間体が固まる。
つぶやいたのは、レオだった。さっきまでそんな気配すら感じなかったのに、気づいた瞬間凄い威圧感を感じる。
「で…でで、殿下!?お、おはようございます!」
慌てて頭を下げる。
「おう。もう昼近くだがな。面倒いから普段通りでいいぞ。」
「あ、はい、すいません。つい反射的に…。」
そういって、ワンダは席に座り直す。
「どうして、こんな所に?それに…」
レオの近くには、レオの膝に座りながら、あーんをしてもらっているミアはいるが、いつもいるもう一人の姿がない。
「ルミナは今日は休みだ。王宮で食べても良かったが、たまには外で食べたくなってな。」
「そうだったんですか…。」
確かに、加護のレベルがおかしいルミナの料理と比べては、流石に何か物足りないと感じるのもわかる。ちなみに、ルミナが正式にレオの専属メイドになってから休んだのはこれが初めてである。
「それで、少しひと段落ついたし、久々に訓練所の様子を見てやろうと思ってな。」
「俺、大分成長しましたよ!後で見てください!」
小さい頃から割と自由な時間があったため、レオはちょくちょく騎士団の訓練所に顔を出していた。騎士団にはレオの息がかかっているからか、1人1人がそこそこ強い仕上がりになっている。
「ご馳走様!じゃあ行ってくる!」
食事を済ませ、ワンダ達は店を出て訓練所に向かった。