第17頁 仲直り②
「お前は王になりたいのか?」
仲直りした直後、ライネルはレオに聞く。
「なりたいかなりたくないかでいえば、なりたくはないな。色々面倒臭えことも多そうだし。」
「…そう…なのか…。」
「まあ、なったらなったで色々と考えてはいるから正直どっちでもいい。」
「なら、どうして俺を辞退させたんだ?」
「やらなきゃいけないことをやるために、お前が王になるのは都合が悪いと思ったからな。あくまでついでだがな。」
「なるほどな…」
ライネルは少し納得すると同時に、レオのやらなきゃいけないことが何か気になっていた。
「やらなきゃいけないことについては、そのうちわかる。」
「…そうか。」
「んじゃ、あんまり待たせるのも良くないしな。」
そういって、レオはルミナに部屋の扉を開けさせると、そこには既に涙目のエネアと、安心した表情のガルディスがいた。
「一回、二人で腹を割って話した方がいい。」
そういって、ライネルを残して、レオ達は部屋を出て、代わりにエネアが部屋に入る。
「レオ。」
「なんだ?」
「…ありがとな。」
「おう。」
そういって、部屋の扉が閉まった。
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「ごめんなさい!ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
レオ達が仲直りする少し前、エネアはガルディスの所に謝りにいっていた。
「…急に謝られても、何がなんだかさっぱりなんだが。」
号泣しているエネアに対して、ガルディスは戸惑う。
「とりあえず落ち着け、な?」
……………
「落ち着いたか?」
「…はい。」
「で、とうしてそんなに俺に謝るんだよ。」
「…私は…とんでもないことをしました…。」
「とんでもないこと?」
「ライネルを…陛下の子を…私怨による行動に巻き込んでしまったことです。」
そうして、エネアは今まで自分のしてきたことを全て話した。
「…ですから、本当にごめんなさい!」
「…なるほどな。」
どんな罰も、どんな暴言も甘んじて受け入れようとしたエネアに掛けられた言葉は、以外なものだった。
「ちょっと、安心した。」
「え?」
「会った時にプライド高そうで、あんまり素直じゃなかったから、俺のこと、世継ぎ相手にしか見てなくて嫌われてるのかと思った。」
「…そんなわけないじゃないですか!」
「ああ…。だから、悪いのは、俺もだ。お前のことが少し怖くて、それで関わる回数を減らして…お前から目をそらしていた。お前にこんなことをさせたのは、俺の責任でもある。だから、すまなかった。」
「!…でも、もう、取り返しがつかなくなってしまったかも…私が…あの子を歪ませて…!」
「あいつはきっと大丈夫だと思うぞ。」
「え?」
「なんせ、俺と、俺をビビらせたお前の子だ…きっと、あいつは強い…そう簡単には歪まないさ。」
「そう…ですかね?」
「でも、けじめはつけた方がいい。ちゃんと謝って、今度こそ、本当の親子の関係を築いてこい。」
「許してもらえるでしょうか…?」
「だめだったら、俺も一緒に謝ってやるよ。」
そういって、ガルディスはエネアに手を差し伸べる。
その手を取ろうとして、やっぱりやめようとした手を無理矢理とる。そして、護衛の目を欺いて二人でレオ達のいる部屋に向かう。
広い王宮の廊下には、兄弟以外に仲直りした、夫婦の姿があった。
ライネル達性格変わってない?と思った方…私もそう思います。
ものすごく考えて書くところと勢いでごまかしながら書くところがあって書き方がぐちゃぐちゃなんですよね、大体どの話も。