第10頁 無視
数日後ライネルが王宮にやってきて、レオ達と対面する。
ライネルの顔はレオ達より大人っぽかった。
「初めまして、だな。レオンハルト。」
冷静な表情でライネルは話す。
「ああ…そうだな。」ぶっきらぼうにレオは返す。
ミアはレオの後ろにくっついて、ライネルを見ており、ルミナはその後ろで待機している。
「王戦は、どうするんだ?」ライネルが聞く。
「別に…興味ねえよ。」
「そうか…。」
そういうと、ライネルは視線を移す。そして、ミアと目があった。ミアがびくっとしたのを後ろからかんじる。が、ライネルは何事もなかったように背中を向け、立ち去ろうとする。
無関心だったレオの表情が、怒りに変わった。
すぐさまライネルに追いつき、ライネルの肩を掴む。
「…おい。何シカトしてんだよ。」さっきより低い声をライネルにぶつける。
「何の話だ?」振り返ることなくライネルは返す。
「ミアのことに決まってんだろ…!」レオの怒りは増していく。
「ミア?それがどうかしたのか?」
「あいつは、てめえの妹だろが!」
「妹…だと?」一拍おいた後、さらにライネルは続ける。
「庶民の娘を、妹とはいわない。」ミアがとても悲しい表情をした。
「んだと、この…!」レオはライネルの肩を引っ張り、顔面を殴ろうとするが、顔を見た瞬間、レオは拳をとめた。
ライネルの護衛が剣を抜いて、レオに向けたところを見て、レオは舌打ちをしながら、掴んでいた肩を離す。その後、ライネルはその場を離れる。
「…ふざけやがって、なんだよ、あの面。」
あのとき、レオが見たのは、何かを押し殺したような表情だった。レオは手を握りしめたまま下を向いていた。
「…にいや。」ミアがレオの手をとり、上目遣いでこちらを覗く。
「ミアは、にいやさえいてくれれば、大丈夫だよ?」
嘘ではないが、大分気を使っている。予想はできていたが、もしかしたらという期待がミアにはあった。
「ありがとよ、ミア。」レオは微笑みながら、ミアがとってない方の手でミアを撫でる。
「…だが、やっぱり気に入らねえ、ミアに悲しい思いをさせやがって…」
そして今度はライネルが去っていった方を見ながら、
ニヤリとしてこういった。
「ぜってえ、後悔させてやる。」
なんか、名前にラ行がつくことが多くなってますが、ラ行がつく名前って個人的にしっくりくるんですよね(自重する気ゼロ)。