第9頁 王の考え
わーなんかご都合主義みたいになったー(棒)
シスコン描写って加減が難しいと思いました。
成人式から数日後の朝、レオ達は朝食をとっていた。
朝食はルミナが作っている。料理をとっても、ルミナは宮廷料理人にも負けない実力をもっているため、レオの食事の調理は全てルミナが行なっている。
「あーん」ミアは椅子に座ったレオの膝に座りながら、スープの乗ったスプーンをレオの口に運ぶ。
もぐっ
「ん、美味い。ありがとな、ミア。」
そういって、レオはミアの頭を撫でる。
(私が作ったんですけど…)
ルミナが少し不満そうな顔をすると、
もぎゅっ
いきなり口にパンを詰め込まれる。
「お前もありがとな、今日も超美味いぞ。」
「レオ様…。」
パンを咥えながらも、照れたような、嬉しい表情をする。
食事を終え、一息ついていると、兵士がレオのもとにやってきて、
「殿下、陛下がお呼びです。」
「父様が?わかった。」
そうして、レオ達はガルディスの部屋の前について、
「父様、レオだ。」
そう奥に聞こえる声でいうと、扉が開いた。すると、ガルディス以外にも、リオーネやリオンなど、他の王妃や王子達がいた。
「おう、よく来たな。3人とも入れ。」
ガルディスにそう言われ、レオ達は部屋の中に入る。
「さて…ここにお前達を呼んだ理由だが…。単刀直入に言う。」
ガルディス以外の全員が、少し緊張した面持ちになる。そして、
「俺は、王をやめようと思う。」
「「「「え?」」」」
その場にいたガルディス以外の全員の思考が止まった。
「ど、どうしてですか!?父様はまだ元気じゃないですか!?何を考えているんですか!?」
リオンが驚きながらも問い詰める。
「ん、まあ、あれだ…。ぶっちゃけ、もう疲れた。」
「ぶっちゃけるなあおい…」レオが呆れた顔をする。
確かに、ガルディスの働きは王として素晴らしいものだった。王がガルディスになってから、犯罪が大きく減ったし、庶民であるミアの母と結婚してもガルディスの支持が落ちなかったのは、皆が王としてのガルディスの働きぶりを認めていたからである。
「でも、辞めるっていったって、どうするのあなた…?」
リオーネが不安そうに聞く。
「それなんだが…リオン、ライネル、レオの3人で、最も支持の高かった者を、王にしようと思う。」
「え?僕?」リオンは驚き、
「そうきたか…」レオは少し関心する。
ライネルとは、スドラビアの第2王子、つまりはレオの兄である。年齢は18歳。スドラビアの王子の生活は基本的には母親が決めるため、ライネルの母の実家で、王子としての英才教育を受け続けていた。そのため、レオはライネルに会ったことが一度もない。
「今から2ヶ月後の支持が最も高かった奴を王にする。それまでは、自分の支持を高めたり、相手の支持を下げたりする、所謂、『王戦』をしてもらおう。」
「『王戦』なぁ…」レオがどうしようかと考えていると、ミアが腕を引っ張ってきて、そちらを向くと、
「にいやなら、最高の王様になれるよ。」
「ミア…そうだな。でも俺は、別に王になりたくはないぞ?」レオはそう返す。国の結界への意識を変えるのに、レオは王になる必要はないと考えていた。
「それじゃあ、解散していいぞ。」
そういって、各々部屋を出る。
1人になったガルディスは、窓を眺めながら、
「さて…どうするかな…あいつは。」
そう呟いた。