85:きっと夢にはそういう仕様だってあるよ。
「……はぁ?インキュバスが?」
「うん。」
翌日……っていいのか迷うけど起きてすぐ、私はいつものリビングみたいなとこで寝てるときにあったことを話した。
「俺んとこにきたサキュバスの知り合いであるインキュバスがおまえのとこに来て、そのインキュバスがシュガーを殺したやつか……なんだこの遠くて近い感じは。」
「依頼されてって言ってたけど……多分佐藤ととこのも含めてだろうね」
佐藤もそれに関してはだろうな、と同意してたけど。
ホント誰がそんな依頼したんだろ……
恨みとか買ってる覚えないんだけど……
「にしても全裸で来るとかないよね。ホント」
「……望月、おまえ……見たのか?インキュバスの」
「いんや?あれは言うならば18禁仕様な感じだったよ。」
つまり見てないってことだけど。
見てたらさすがに錯乱してるって。
……だからにおいなんてなかったって。
生臭いにおいなんて知らん。
「誰からの依頼だったのかとかは聞いたのか?」
「聞く前に逃げられた。まぁ、どこにいる人なのかは大体わかってるけどね」
十中八九オリーブ双国にいるだろうっていうのは私の勘だけど。
間違ってない気がするんだよなぁ。
「オリーブ双国か……おまえどうせ目印つけてんだろ?」
「うん。行く?」
「一応アル王に聞いとけ。俺はどのみち騎士団の方に行かんといけねぇし。」
「わかった、そうしとく!」
とりあえず今日の朝ごはんはあのインキュバスのせいで気力がないからただのトーストです。
バター塗ったのと、マーガリン塗ったのと、チーズ乗せたのと、砂糖かけたやつ。
さすがにパンだけじゃあれだからコーヒー牛乳もセットにしたけどね。
ホントそう考えるとお母さんとかってすごいよね。
毎朝献立考えたりとかしてて。
とにかくごはんを食べ終わった私は、途中まで佐藤と行って、佐藤と別れてからは1人でお城の中を歩き回った。
アル王どこにいるか知らないしさ!!
とにかくアル王をよくやく見つけることができたのは堂々とお城に入って1時間後くらい。
アル王は朝ごはんを食べていた。
「……双国のインキュバスとサキュバスがか……」
「うん。ちょっと懲らしめていい?」
「まぁそういうことならよかろう。」
てことでアル王の了承を得た私は意気揚々と飛ぶ準備をした。
まぁ、準備と言っても大したことないけど。
あとは佐藤の方だけかぁ……
ついでに騎士団の訓練とかするあそこに行って、前に使ったあの小さい窓のとこから覗きこめば佐藤が軽く打ち合いをしていた。
どのくらい時間かかるのかなぁ?
そう思って見ていると佐藤は対戦相手に一礼をしてから私の方に走ってきた。
「またせたか?望月」
「ううん、さっき来たとこだからそうでもないよ。で、行けるの?」
「おう。ギリギリすぎて打ち合いに強制参加だったけどな」
なんでも、暇にしてる騎士達と勝ち残り戦をしてたらしい。
抜けてきていいのか聞いてみたら別に暇つぶしだったからよかったらしい。
それでいいのか5班よ。
まぁ、ともかく私達はすぐにオリーブ双国にある目印に向けて飛んだ。
そして目の前には……見覚えのある人達が土下座をしていた。
某所のオモチの言葉にツッコミを入れてはいけない。絶対に。
まぁ、サキュバスはボンデージ的なの着てたんだけどね。彼女は全裸ではない。
次回は土下座からはじまるよ!




