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84:次に来たのはインなんとかさんでした。

――一方その頃的にオリーブ双国にあるフタツ街のとある町はずれの一角にて――


「もー……いったーい!!」

「まさか物理ではねのけてくるとか思わねぇって……」


その室内には怪しい雰囲気の男女がいて、席についたままうなだれていた。


「もうアタシやーよ?しばらく仕事したくない……」

「えぇ……にしても夢魔を本気で殴るやつなんているんだな」

「そうね……そういえばあんたが仕事で殺ったなんて言ったっけ……」

「あぁ、なんとかシュガーのことか。うちの嫁さんの」


女の方はその言葉に鼻で笑って、呆れを含んだ表情をした。


「嫁さん……ねぇ、ただの代償で苗床代わりにしてるだけのくせに。」

「失礼だなー。ちょっと腹を借りてるだけだろ。それに俺子供好きだし。」


彼はサトウがこの世界に召喚されることになった原因とも言える存在のかつてインキュバスと呼ばれていた者。

そして彼女はサトウに手紙を送り、夢に現れたかつてサキュバスと呼ばれていた存在だった。


「まぁいい。次は俺の番だな」

「あんたも失敗する方に賭けるわ。」

「ま、俺も失敗すると思ってるけどな。あー、ホントこの仕事はめんどうだわ」


そんな会話が人知れずに行われていたことをこの2人以外誰も知らない。

そして彼らに依頼した者も……


***


その日、私は明確な夢をみた。

むしろ夢を見てるんだと察した。

いや、察しもするでしょ……


「ちょっと、勝手に人の夢に出てこないでください変態さん。」

「え、ちょ、なんでそんな冷静なんだよ」


風景が真っ暗で、正直相手の顔くらいしか見えない状態だけどさ

どうみても服着てないでしょ、この人。


それに昨日佐藤のとこにサキュ……なんとかが来たって言ってたし、用心はするよね!?

あれ、でも夢だと不法侵入にならないんか……そっちは考えてなかったなぁ……


まぁ、それはともかく私の夢に出てきてる変態さんは多分インキュバスなんだろうけど……

さすがに私の物理は聞かなそうだよなぁ……


「ていうか触るなへんたーい」

「いでっ」


変態さんことインキュバスは悶えてるけど。

何をしたのかと言われればちょっと静電気をばちってさせただけだよ?インキュバスだけ。

もう呪術の方は諦めたらなんとかできる気がしてるからね。


「あ、そういえばシュガーさんの心臓をパーンってしたの変態さん?」

「そう、だけど……ちょ、まじで痛いからホントやめて!?」


静電気伴ってる状態でドアノブとか触るとさ、ホント痛いよね。

そんな状態が今変態さんに継続的に起きてる感じ。

まぁ、対象は事実上の床だけど。


それよりも……


「まじでシュガーさんの心臓破裂させたのかぁ……」

「依頼はこなしてなんぼだろ。……あ、ウソ。ホントそのビリビリするのやめて……」


私は何もみてない。うん、においも感じてない。感じてないからこっちみんな。


「ていうかなんで私のとこにきたのさ。」

「仕事だよ……なぁ、痛くしないから仕事していい?」

「却下。佐藤じゃあるまいし。」


ま、簡単に逃がしてやりませんが。

そもそもインキュバスの仕事ってそっち方面でしょどうせ!!


「物理でこの状況から脱出できるとは思ってないしなぁ……」

「ひぃ……っ」


え、なんでこんなにビビられてるの?


「もしかして佐藤のとこに来たサキュバスって知り合いなの?」


私がそう訊ねた瞬間、インキュバスは完全にしまったって顔をしてました。

ていうか普通もっとわかりにくいもんじゃないの?

とりあえず洗いざらい吐いてもらうしかないよね。



結局、私がまともに寝れたのはそれから多分2時間後くらいでした。

ていうか睡眠時間が短くなったじゃないかー

てことでオモチの夢に現れたインキュバス。

全裸(靴なし)で静電気ビリビリを受けるインキュバス。

こう……うまい具合に影に入ってたのでオモチは直視してません。平和です。

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