82:魔族のこととちょっぴり出てくる5班達
そういえば、と思い出したのはだいたいの聞きたいことも聞いたし、ついでに佐藤のとこに行こうと思って移動をはじめた時だった。
「そういえばアル王、魔族ってなんでかつてとか旧名とか言ってるのと普通に名称があるのがいるの?」
「あー……カーデンとサテラのことか。」
「うん。クラークさんはかつてエルフって呼ばれてたって言ってたし、カルーアさんは普通に狼人だって言ってたからさ。」
「何、さほど難しいことではない」
同種族で子を為すことができる者らの名称は残り、それ以外の者ら……つまりは純血の子をつくることができない者達の種族という名称はなくなった……ということらしい。
そう言われればインキュバスが旧名になったのは納得だな。
よくは知らないけど確かインキュバスは男性型だったはずだし。
なら、サキュバスもそう言う感じなのかな?
「でもエルフって繁殖はできそうなイメージだったけど」
「あやつらはあやつらで苦労しておったからのぅ。ほれ、望月。ついたぞ」
「ホントだ。佐藤のやつ何やってるかなぁ……」
結局話しながらだったからアル王に連れて来てもらった感じになったけど
そこは以前にビネガーさんと一緒に来た騎士団の鍛練場だった。
それからすぐにアル王はお城に戻って行ったけど……王様に案内してもらっちゃったよ。
そんなことよりも
あの時使った覗き穴はそのままあったから覗いてみれば佐藤は同じ所属の人達と話をしているみたいだった。
にしても、佐藤をこんなふうに見るのはなんか久しぶりだなぁ……
佐藤は言葉を交わすたびに表情や動き、力を変化させていて……
なんとなく、楽しそうだな。
あんな表情の佐藤なんていつぶりにみたんだっけ……
そんなことを思いながらもじっと鍛練場を覗いていれば……
一瞬、佐藤の顔が赤くなった気がするけど……まぁ、いいか。
あ、そうだ。明日久しぶりリン大陸にでも行こうかなっと。
ある程度眺めた私は、今日はもういつもの家に帰ることにしたのだった。
***
騎士団鍛練場の一角
そこには現在5班のメンツがそろって駄弁っていた。
「そういやサトウ、また告られてたって?」
「関係ないだろ……」
「そう言いなさんなって。だいたい知ってんだぞ?おまえ、召喚されてこの仕事につく代償として召喚させた娘が本命なんだろ?」
「っ……な、なんで……っ」
慌てるサトウに一緒にいる人々は笑いを耐えていて傍から見れば明らかに怪しい集団にも見え……
「ホントわかりやすいよな。」
「うるせぇな……」
その日ものんびりと補欠部隊とも呼ばれている5班は仕事もなく時間が過ぎて行く……
もちろんサトウはオモチが見てることも気づいていなかったが。
ちなみに書き忘れたけど旧名勢はいなくなるということはありません。
生まれ方は竜達のあれ参照で。
そろそろ塩メインの話が書きたいんジャー




