75:忠告の現実理解
――アル王にオリーブ双国のことを報告して子供に注意することを忠告されて数日。
バイト代でちょっとこの世界のお菓子を買ってみたりもしたけど……やっぱ地元のものの方がいいよね。
まぁ、そんなこんなで私は今日ものんびりとビネガーさんの家でクラークさんの本を読んでいた。
「うん、やっぱり3周してもなかなか面白いや。」
どう読んでもバッドエンドだけどさ。
でもやっぱり、あの子ってこれに関係してそうな気がするんだよなぁ……
「……望月何してんだ?」
「ん?あ、おかえり佐藤。今3周目読み終わったとこ」
「また読んでたのかよ。」
ていうかもう佐藤帰ってくる時間だったのか。
やっぱり引きこもってると時間間隔がなくなるなぁ……
「でも、佐藤って最近帰ってくるの早いよね。」
「あー……あの王に団長経由で忠告されたからな……」
「忠告?」
なんでも、なるべく私を1人にしない方がいいとかなんとか。
なんで佐藤に言うんだか。そういうのを
「たぶんもう少ししたら塩も帰ってくんだろ。」
「過保護どもめー」
「棒読みかよ。……風呂入ってくるわ」
「うん、いてらー」
佐藤はさっさとお風呂に入りに行ったけど……
なんか、あの小さな苦笑って小さい時よく見たなぁ……
そう考えるとやっぱり佐藤は佐藤だな。うん。
「ふほーしんにゅーはきんしー……てか?」
最近呪術の方全然使ってないしなんちゃって呪術のつもりだったけど……
言った瞬間、外からバシンってなんか叩いたようなぶつかったような音がした気がしたんだけど……気のせいかな?
「ただいま望月さん。」
「あ、おかえり塩。今お風呂は佐藤入ってるよー」
「そう……そういえば何かあった?」
「へ?」
塩が言うには家に入る時、リビングぽいとこに面してる壁の一部がちょっと黒くなってたらしい。
その黒は焦げのような痕のようなそんな感じだったらしい……
もしかしてさっきのバシンってやつの原因かなー?
だからさっきのバシンってのを話すと塩は少しだけ難しいことを考えるような表情をして
すぐにまた外に出て行った。
なんだったんだろホント。
それからすぐに佐藤は風呂をあがってきて、塩も戻ってきて、ビネガーさんも戻ってくると塩が急に話を始めた。
「何かがこの家を見ていたか、入ろうとしていたみたいだ。」
「何かってなんだよ。」
「わからない。ただ、その何かはおそらく怪我をしたんだと思う。」
それが外の黒くなってるのの理由?らしい
そしてその何かはここを覗いてたのはほぼ確定だろうと塩は珍しく断言していた。
にしてもここを覗いてたって……なんかいやな予感?
「モチヅキさん、気をつけてくださいね?」
「うん、わかったー」
まぁ、お風呂覗かれてもそんな見ものもないし。
そこまで気にする必要はないかな?
いや、ついでに覗き禁止も言っとくかな?呪術的意味で
この時点ではまだ不法侵入禁止しか効果のない状態です。
ホントはお風呂でばったりネタやりたいんだよ!やりたいんだって!!
やらんけど。




