74:報告終わりとアル王からの忠告
――翌日、私は予定通りにアル王に調べた(?)ことを報告した。
「なるほどのぅ……にしても望月はホントよく釣るのぅ。」
「釣ることは大事だよ!魚のこととか海のこととかわかる気がするし!」
「……しかし、半獣の方は改善の余地はなさそうなのかの?」
「さぁ?私もそこまで調べた訳じゃないし。」
そもそもそこまで調べるのめんどかったし。
原因があるとしたら海の中だろうし。さすがに水着とか作ってないし。
「ていうかアル王、あの国で何したの。たぶん偉い人達アル王の名前出したら顔が青くなったんだけど。」
「あー……まぁ、ちょっと若気の至りでな。」
なるほど、なんかやったのか。
まぁ、アル王なら暴れるとかじゃないだろうけど。
そんなことを思ってるとアル王はにしても、と話を始めた。
「会議場は正式な場所から入らなければトラップルームに直結してるはずなんじゃが?」
「うん?避けるのくらいならなんとかなるし。」
昔から障害物競争とか得意だったし!
私がそう言えば何故かアル王から戸惑いが含んだ視線を受けた。解せぬ……
「で、私のお仕事はこれで終わりでいいんだよね?」
「あぁ、そうじゃの。これ、バイト代じゃ。」
「えーと……銀5枚……だから、5000円か……ってホントにバイト代だ……」
ていうかアル王ってバイトの意味知ってたのか。
って、今更だけど。
「そういえば普段は街って何売ってるの?」
「市場よりは品数こそは少ないがある程度のものはそろっておるよ。」
やっぱ市場ってすごいのか。
一応街の中のお店位置見取り図をアル王に見せてもらった。
なんでそんな見取り図がお城にあるのか……
まぁ、気になるよね。
お店の位置は!!
「銀だったらごはんとか何日分になるんだろなぁ……」
「1人2人で消費しきれないくらいはいくんじゃないかのぅ?」
「え、そんなに!?」
えーそれなら銀こわい。
まぁ、だからと言って銅とか小がじゃらじゃらとあっても困るか。
とりあえず話すことも話したし
私はさっさと帰る為に踵を返して背を向けた瞬間、アル王はぽつりと何かを話はじめた。
「……のぅ、望月。街中に行くときは子供に気をつけるんじゃよ」
「……へ?」
アル王の突然の注告に私は思わず振り返ったけど
そこにはすごく真剣な表情をしたアル王がいた。
その表情はショタぽさがなく、なんというか……
「アル王って……そんな顔もできたのか……」
「お主はわしをなんだと思っておるんじゃ」
いや、だってしょうがなくね?
真面目なとこなんて見たことないし。
にしても気をつけるって……もしかして……あの時の子のこと、なのかなぁ……?
とりあえず、このアル王はなんとなく嘘とか言わないだろうし気をつけよ。
結果論で言えば、この気をつけるという意識はある意味で正解だったけど……
この時はまだあの子の何に気をつければいいのかわからなかったのは仕方ないことだと思うんだ。
オモチは双国の不漁とかの原因は調べないよ!
そろそろ関わってくる例の子供。
多分総文字数10万行ったと思う!




