73:突撃オリーブ双国(の会議場)と理由ぽいなんとか
「たーのもー!」
開け放った扉、そこには6人いて、なんかすごい驚いた表情されたけど……解せないんだけど。
「ちょ、ま……ていうかおまえどこから入ってきた……?」
「どこって……下から?」
今私がいるのは2階にある部屋の前。
下から登ってくるの、意外と大変だった。
扉を開けたらいきなり落とし穴があるしさ、その穴を越えれたかと思ったら壁が狭くなってきたしさ
ドアがいっぱいあったり、変な箱があったり、とげとげしたのが揺れてたり、平均台みたいなとこがあったり……ホント、しんどかった。
「ていうか!どこのトラップ畑だ!!!」
「いや、つかなんであれを越えて無傷なんだよ!?」
失礼な。ちょっと躓いて膝すりむいたし。
にしても確かカルーアさんが言うには会議場っていうとこにいる人がこの国の偉い人のはず……なんだけど?
なんか、偉く見えない。……いや、アル王もショタな爺だし見た目は関係ないか。
「質問!アル王が言うには魔族の人が元帝国ってとことかアル王のとこに流れてきてるらしいけどその原因ってなんなの?アル王は争いぽいって言ってたけど争ってる感じには見えないし。魚美味しくなかったし」
「やっぱカフェイン王のとこのか……ていうか最後の関係なくね?」
「ちょっと落ち着け、ソクト。代表」
「あーはい。で、魔族がカフェイン大国とビタミン元帝国に流れてるんだっけ?」
「うん、アル王が言うには元帝国で悪いことされてさらに流れてきたって。」
私の言葉にその部屋にいた人達はなんとも言えないような表情をしてたけど
やっぱり争いをしてる感じもないんだよねぇ……
ていうかホントに半獣のとこの方の魚は大きいだけで身がすかすかだった。
「争い……って言ってもいいのかはわからないけど、両漁港の問題でこちらも糧が少なくなってて流れたっていう意味では間違いではないか……」
「あー……そっちの議題まだやってなかったな。」
とりあえずよくわかんないけど……この羽っぽい耳の人とウサ耳の人が双国の代表らしいってのはわかった。
「でも、なんで魔族側の方は不漁で半獣側の方は身がすかすかででかいだけのばっかりが釣れるの?」
「それがわからないんだよねぇ……」
「……うん、わかった。放置してたらそりゃ食糧の問題もでてくるわ。」
とりあえずこれでアル王に報告することはわかったかなぁ……
あとで両方で釣りでもしてお土産にしよ。
「じゃあ用事終わったから帰るねー。とりあえず、さっさと問題解決したら?アル王くるんじゃない?あの人行動力はあるみたいだし」
ある意味置き土産にショタ爺ネタを置いて行けばそこにいた6人は顔を青ざめさせてたけど私は知らない。
その後、私はさっさと会議場を出て、社畜号で端から端までを縦断して、釣りをして、ビネガーさんの家に帰ったよ。
1人ごはんはつまんないんだよ……
「……で、その魚がこれか……」
「うん、こっちは半獣のとこの方。」
ビネガーさんの家のいつもの部屋のテーブルの上に並ぶ2種類の魚達。
一方は無駄にでかくて、もう一方は普通サイズの。
ていうか、ホントに普通に釣れたんだけど。どこが不漁なのかわからないレベルで。
「どういう釣り方してるんだか……」
「つーか、半獣の方の魚がなんででかいのかはいいのかよ」
「身がすかすかだからね。興味が持てない……」
味気ないし、すかすかだし、ホントにあの人達で調査でもしなきゃ魔族の方はまだしも
半獣の方の漁港はそのうち潰れそうな気がするんだよねぇ……
「でも、やっぱりリン大陸のこっち側の魚の方が美味しいや」
「あー……まぁな。」
さすがにリン大陸まで漁にもいけないでしょ、あの人達は。
ま、アル王に報告するのは明日でいいや。
半獣サイドで獲れる魚は言うならばカニの甲羅を開けたら身がちょびっとだけみたいな。そんな感じ。
ていうか、そんなカニ食べた時のなんとも言えないせつなさね。
なお、両方とも漁は地引き網系です。




