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63:迷子の後と……

市場の中で塩とはぐれて、迷子になってが現在進行形で……


「どうしたものか……」


そういえばはぐれた時のこと考えてなかったもんなぁ……

私だけなら別に飛んで帰れるけど……塩が探してるかもしれないしなぁ……

そんなことを考えながら辺りを見回してたらテントの隙間から私の方を見ている小さな女の子(・・・)が1人、佇んでいた。


ただまっすぐに私の方を見ているその目には感情やらをまったく感じられなくて……

少し怖いような、気になるような……

そう考えてた間にその子はまるでそこにいなかったかのように消えてたけど。


でも、なんとなく私はまたあの子に会うような気がしてならなかった。



「望月さん。ここにいたんだね。」

「あ、塩。ようやく合流できたねぇ」


あの子に遭遇してから多分1時間くらい。

私はその場から動かず待っていてようやく塩と遭遇した。

まぁ、少しだけ塩に動き回らせたことは悪かったと思うけど……


「じゃあ、帰ろうか。望月さん」

「うん。そうだね」


こうして私は2日に渡る市場を満喫したのだった。

にしても昨日の佐藤が言ってた年齢制限うんぬんっていったいなんだったんだろ……?



「ただいまー」

「おかえりなさい、モチヅキさん、シオさん。」

「おかー……今回買ったのはそれか?」

「うん。ローブだって。」


手荷物になるから着てきたローブを見せびらかすようにくるりと回ってみればビネガーさんはお世辞に似合うと言っていた。

まぁ、佐藤は一瞬顔を顰めてたけど。解せぬ……


それよりもやっぱり気になるのはあの子のことで、でもなんとなく、そのことを言う気にもならなくて。

どうしてあの子のことが気になるのかもわからなくて……

まさか、アル王と似た系統の人なんていないだろうし……


ま、あんまり気にし過ぎてもいいことはないかな?


――その選択がいいことなのか、悪いことだったのか。それは、今の私にはわからないけど

ただ、私にとって次の出来ごとの始まりに過ぎなかったのは言うまでもなかった……――



***


――ミツケタ、ミツケタ

アノ子(・・・)ヲ、ミツケタヨ

マタ、イッパイアノ子(・・・)デ……


タノシミ、タノシミ

アノ子(・・・)ヲ感ジレルナンテ

ソウ、夢ノヨウダナ――



少女のような少年(・・・・・・・・)は口ずさむ。

それはとても楽しそうに見え、そしてなによりも……


誰も知らないはずの事実が1つ

誰も知らないところで少しずつ動きはじめていることをやはり誰もまだ気付かないままで……

それに誰かが気付いたとき。

それがどうなるのかは……やっぱり誰も知らないことだった。

意味深に終わらせてみた。

日々フリーダムに進むのもまたありだと思うんだ。

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