61:1日目のそのあと。
市場巡りを終えて戻ってきた私達はリビングに入って一瞬呆けた。
ていうかアル王がなんで当たり前のようにこの家にいるんだか……
「ずいぶんと早かったのぅ」
「あんまり欲しいのなかっただけだし……」
それはホント。
流し見してて覚えてたものの名称をとりあえず順番に言ってみて……
「……刀に銃じゃと?」
「うん。まぁ、銃は本体しかみてないけど。」
あ、でも少し刀欲しかったかも。
まぁ、使うことないけどさ……
「ふむ……玩具の方はどうだったんじゃ?」
「なんでトランプがないの。」
「なんじゃそれ?」
おぉう……知らない方だったのか……
あとでトランプ作って遊ぶんだ……
「あ、玩具の方立体パズル買ったよ。」
「ほう。」
パズルっていいよね。時間つぶしには
そんなことを思ってたら佐藤が話に入ってきた。
「つーかあの市場って年齢制限あんのかよ」
「ん?どういうことじゃ?」
「玩具の方の入り口から一番遠い方、さすがに指導いれとけよ」
佐藤は呆れたようにそう言ってたけど……奥の方って何があったんだ……
そういえば結局最後まで見てなかったっけ……
1回戻って全部見て回ろうかと佐藤に言えば全拒否された。なぜだ……
「あっちのは見なくていいもんだからだよ。おら王ならさっさと対応してこい」
「仕方ないのぅ……」
アル王はめんどくさそうに立って……何度も私達の方を振り返っていた。
え、引きとめないよ?
とりあえずアル王が帰った後のリビング。
私がトランプを作ってさっそく遊ぶことにした。
立体パズルは今度やるよ?
「きた!ストレートフラッシュ!!」
「ちょ、くっそ……フルハウスだ……」
「っ……」
あ、塩は役なしと見た。
「それは何をしているんだ?」
「ポーカーってゲームだよ。カルーアさん」
今のところ3人とも2勝ずつしてる感じなわけで。
カルーアさんにルールを教えて、4人でいざ対戦をした結果……
「カルーアさん強すぎる……」
「なんで3連続でロイヤルストレートフラッシュなんだよ!?」
「こういうのなら得意みたいだな。」
3人でやってた6戦にプラス3戦した結果カルーアさんが3勝だった。
もう1戦はやる気にならないよ。
「もう次!ババ抜きするよ!」
「そうだな。」
「どんなルールだ?」
カルーアさんはやっぱりこういうことに対しての好奇心は強いらしい。
そしていわゆるビギナーズラックというのも強いらしい……
それからババ抜き、ぶたのしっぽ、十人の小人、7並べ、神経衰弱をした結果。
どれもカルーアさんが勝っていた……
わ、私はババ抜きと神経衰弱は2位だったよ!
「モチヅキ、トランプというのは面白いな。」
「そういえば市場のとこに花札売ってたけどカルーアさんは花札やったことあるの?」
「あぁ、酒場とかでな。モチヅキもできるのか?」
「ちょっとだけね。」
花札はじいちゃんに教えてもらったから。
ついでに言えば佐藤もちょっとだけできる。一緒に教わってたからだけどね。
「明日は魔法職の武防具と食糧系だっけ。そのときはちゃんと値引き交渉するよ!」
「おー最初はあんま下げ過ぎんなよ?」
「え、コツとかあるの?」
その後、佐藤とカルーアさんから値引き交渉のコツを習ったのは言うまでもない。
よくあるよね、ビギナーズラックって。
というかカルーアの場合はそれだけじゃないですけど。
なお、花札はこいこいしかよく知らぬ。




