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番外編4:元始の竜と幼き生命

書いた時点で眠かったので。

――まだ世界に3つ(・・)の大陸と2つ(・・)の島しかなかった頃

まだ名もなかったその大陸に全ての始まりと言える竜が生まれた。



その竜は青白くほんの少し濡れた鱗を持ち、()が呼吸するたびにその地には草花が茂り

鱗が地に触れるたびに水が溢れ、あくびをすれば大気が震えていた……


だが、その世界はまだ何もかもが足りていなかった。

育みもなにも……


ふと、始まりの竜は何を思ったのか自身の牙1本から小さな竜を、自身の爪1枚から小さな獣を、そして自身の()から小さな人類を生み出してしまったことが世界そのものを動かしてしまう原因となってしまったことをその時、竜は知らずにいた。



竜の爪から生まれた獣は島で番いを作りだし、育みを持って増殖していった

竜の牙から生まれた小竜は始まりの竜の元で何もせずにごろごろとしていた。

竜の種から生まれた人類は大陸を渡り、自身の骨から異なる性の人類をまた作りだして生きるを知った。


時が進むほどに竜から生まれた生命達はそれぞれがそれぞれの文化を作りだし

それぞれがそれぞれの生き方を自覚していった


世界において何も変わらないのはすでに始まりの竜だけ。


変化を望まなかった始まりの竜は石のように静かに眠り続け

一番近くにいたはずの小さな竜が姿形、力を変えていっても関心を持つことなくただただ眠り続けていた。


彼の眠りが終わる日もまた唐突だった。

彼の前に現れたのはとても小さくて脆弱な人類の子供で

子供は彼に言いました。


――何故、貴方は変化を望まないのか……――


と。

竜は薄く眼を開け、子供を見つめると力を持った声で返しました。


――我には過ぎたモノだからだ……――


と。

竜は知っていました。

自身がただ、全ての指標であり始原として生まれてきたということを。

そして、この子供が自身の前に現れ、問いかけをしてくることを。


――それによって自身の終わりが近いということを……


始まりの竜はゆっくりと消えていきます。

その子供に吸収されていくように……

力も種も何もかも残されることなく……




始まりの竜が消えた場所はのちに空白地帯と呼ばれるようになった。

始まりの竜を食べた(・・・)子供は世界を渡ることを覚え、その姿をその名を変えてはその世界ではない世界を知り、飛びまわっていた。


彼が知ったのは自身がいた世界の遅さと育みの足りなさ。

だから彼は知識を得る為に別の世界の存在である子を1人、連れ去ってきた。


彼はその子から知識を得るのと同時に自身にある欲を認識してそれをその子で解消していった


彼に植えつけられた好奇心は留まる事を知らない。

まるで、あの眠り続けていた始まりの竜が眠っていた分を取り戻すかのように……



彼が気付いた時、世界はいつの間にか2つの大陸と5つの島で成り立つようになっていた。

消えた大陸は消滅したわけではない。

それを知るのは空白地帯の奥にある生まれることのない卵だけだった……


その卵が日の目を見る日が来るのかは……まだ、誰にもわからないことだった。

気付いた、書きはじめたときに眠い時は高確率で番外編になってることに。

うん、眠い。

一応この話は世界の始まりであり竜のはじまりです。

でも絶対のはじまりではないお話。


つまりどういうことかと言えばさぁ、どっちだろうね?ってことです。

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