46:釣り師オモチ。
せっかく反対側の海に来たわけだし、釣りとかしてみたら何が釣れるかなーとか思うじゃん?
で、釣りしてみるじゃん?
「……黄竜ちゃん、これ何?」
『ア、アタシに聞かないでよ……海洋生物は担当外よ!』
「ていうか担当とかあったんだ……」
なんでも、海洋生物もとい水中生物系は青竜が詳しくて、黄竜は陸地に住む小動物系が詳しいらしい。
ついでに言えば白竜は飛行生物系、黒竜は陸地に住む中型以上の生き物系、赤竜が砂漠地や火山帯に済む生物にそれぞれが詳しいと言うことらしい。
「それで担当……」
『そうよ?それにしてもあなた暇なの?』
「調査も大事なお仕事なんだよ。……でもさぁ、木の棒に糸と針つけただけのでなんでこんなに釣れるの」
私はそう言いながら自分の横を見た。
そこにはすでに山のようになってる釣りあげたものが……
これだったらビネガーさんの家にあった図鑑を持ってくればよかった。
『あら、ずいぶんと珍しいものを釣りあげたわね。お嬢さん』
「ん?白竜さんこれわかるの?」
『一部は妾の担当だもの。』
「……ん!?」
あれ、白竜の担当っていうのは飛行生物って……あれ?
「飛ぶのがいるの!?ていうかなんで飛べるのが釣れるの!?」
『えぇ、いるわ。例えばこれとか』
そう言って白竜は山の中にある1匹を持ちあげた。
『これはフィーリュン。泳ぐ時に水中から飛びだすのよ。』
「つまり基本は水中で生活してるってこと?」
『そうよ。』
泳ぐ時に飛び出すって……なんて言ったっけ……トビウオとかそんな感じじゃなかったかな……?
でもそう考えたら確かに白竜の担当にもなるのか……
「で、食べれるの?」
『えぇ、それは問題ないわ。』
それから私はしばらく白竜がわかる範囲の生き物を教えてもらった。
ていうか白竜が教えてくれる飛行生物でもある海洋生物はさっきのフィーリュンみたいに魚の形をしたものが大半で、ほんの少しだけちょっと獣のような鳥のようなものもいた。
「なんかすごいなぁ……」
『確かあの空白地帯に面した海とは生態が違うはずよ。』
「……マジで?」
なんでも、海そのものはなんていうことはないらしいけど、このリン大陸の目安で言えばホントに半分くらいのとこで海中の生態がガラリと変わるらしい。
『確かこれがこちら側にしかいないはずよ。』
「なんか羽衣みたいな魚だね。」
羽衣っていうかクラゲが魚になったみたいな、そんな感じの魚だった。
白竜が向こう側にいないと言った魚の例は。
光によって変わる鱗の色、中身があるのか疑問に持ちたくなるくらいの薄い身、ヒレが羽のようなそんな感じの魚。
「なんか、毒とかあったりする?この魚。」
『えぇあるわ?身にはマヒ毒、鱗には幻覚錯乱、ヒレには眠り毒が。』
「……これってさ、泳いでる時にぶつかったりしたら溺れるフラグ?」
『ふらぐ?は、わからないけどそうね、海中で出会えばそうなるわね。』
やっぱり綺麗な花には棘があるってことかぁ……
にしても、この釣った魚とかどうしよ。
水着回を作ってもいいけど水着の表現ってむずかしくね?




