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42:名も知らぬその植物は

草原の中をキコキコと私はただのんびりと自転車を漕ぐ。

前かごに乗ってる緑竜はミャーミャーと鼻歌を歌ってるみたいで……って歌えるの!?


『あら、お嬢さん意外と腰が細いわね。』

「白竜さん、くすぐったいのでわさわさしないでください。割とマジで!!」

『あらごめんなさいね。』


そう言いながら白竜は掴んでいる私の腰をもぞもぞと手を動かしている。

ホントにやめてほしいんだ……

ほら、脇腹ってやばいよね……


『ちょっと!なんでアタシだけここなのよ!』

「だって自転車ってホントは3人でもダウトなんだもん。」


前に緑竜、後ろに白竜。

黄竜は飛べばいいじゃんと言ったら全拒否されたから自転車の後ろに2輪付きの荷台を括り付けてそこに乗ってもらってる。

けっこう重いんだよ……

電動自転車だからアシスタント付きでまだマシだけど!!!


「それで黄竜ちゃん、ホントにこっちで海に出るの?」

『出るわよ。ちょっと時間はかかるけどね。』


黄竜曰く、飛んだらすぐらしい。

なら私達を乗せて飛んでくれたら楽なのに……


「あ、この花……シロツメクサに似てるなぁ……」


あれ、小さい時に花から蜜吸ってたのってこれに似たやつだっけ

草原ってそういう意味では楽しいなぁ……


そんなことを思いながら自転車を漕いでいれば緑竜が鳴いて何かを教えてくれようとしてるみたいだった


「何?緑竜。」


一度自転車を止めると緑竜は勢いよく前かごから飛び出して……顔から落ちてた。

でもすぐに起きあがった緑竜はまるでついて来てと言うように鳴きながら私の足を突いた。

うん、爪痛い……

しょうがない、ついて行ってあげるか。


「じゃあ白竜さんちょっと待ってて。」

『わかったわ。その子のことだからあまり遠くまで行かないでしょうしね。』



と、いうことで緑竜に連れられてきた場所は見渡す限り白い花が揺れていた。


「……ん?これって実なの?」


よく見るとその白い花はどれも実みたいで、でも、それは木の実とかではなくて果実みたいな……

緑竜はその実を一粒美味しそうに食べている。

これが食べたかったのか、見せたかったのかよくわからなかったけど

とりあえず黄竜に聞けばどういう実なのかわかるかな?


小さいロックできる袋を作って、そこに2,3粒入れてしまった。

この実が、実は厄介なものだと言うことはこの時、私も知らないし、この大陸の竜達も知らなかった。



「それで黄竜ちゃん、これは何?」

『あぁ、緑竜の好物ね。少し甘みが強くて疲れも吹き飛ぶくらいだけどアタシもそれくらいしか知らないわ。』

「ふぅん……まぁいいか。これ貰っていい?捨てるのもあれだし」

『いいわよ。その代わり……このくっしょんっていうの、くれてもいいのよ?』

「あ、うん。いいよあげる。」


まったく、素直になれない子だなぁ、黄竜は。

緑竜にすればその実はただのおやつで、黄竜にすれば我が子がよく食べてる危なくはないものだった。

ただし人間には・・・・・って感じの!

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