37:白竜姉さんは好奇心旺盛でした。
『すまない。白竜は威圧の力を持っているのだ』
「い、あつ……」
『うふふ、ごめんなさいね。人の子達。』
そう笑った白竜からはフッと消えるようにあっという間に怖さがなくなった気がした。
『この子達……なかなかいい素材みたいね。』
『あのアル王と知り合いのようだ。』
『……まぁ……どうりで』
どゆこと!?
とりあえず白竜もアル王のことを知ってるらしい。
なら……
私は白竜さんにアル王に言われたことを話すことにした。
とは言っても私自身がわかってる大陸を探索をするということくらいだけだけど。
『そう……あなたも大変ね。』
「ホントにですよ。」
しかし、そう考えたらアル王ってどうやってこの大陸を旅したんだろ?
竜達の結界があるのに。
そう考えてたことを口にしたら白竜がすぐに答えを教えてくれた。
『彼はそれこそ人間としても特殊だもの。おそらく彼の内には竜の血も流れてるわ』
「え、まじで?」
この大陸に張り巡らされている結界はそれこそ竜以外の者に対してのものらしい。
故に竜の血が流れてる者には意味がないし、竜に認められた者も同意らしい。
だから私と佐藤は黒竜の結界には入れるようになったわけだ。
「んじゃ、大人数で侵攻しようとして元の場所に戻されたらしいって話は?」
『それも結界が拒んだ結果ね。』
“反射”という効果が発動した結果らしい。
ていうか結界っていろんな効果があるのね……
「あ、じゃあ他の竜に認められてないと他の結界には入れないってことでいいの?白竜さん」
『えぇ、そうよ。……ねぇ、お嬢さん。この大陸を探索したい?』
「まぁ、そりゃぁ……出来なかったらあのショタ爺にバカにされそうだし……」
『なら、妾がついて行ってあげるわ。』
白竜が言うには領域持ちの竜達は人化できるらしい。
……じゃあ黒竜もできるのか……
あと白竜がついてくることにあるメリットはそれこそ結界を通りやすいということらしい。
「佐藤どう思う?」
「あー……ありじゃね?」
「だよね。」
と、いうことで私達は白竜について来てもらうことにした。
ならやっぱ社畜号を改造した方がいいかなぁ……
白竜が同行するということで社畜号を見せると白竜は何故かキャッキャしていた。
『あなたの世界ではこういうものに乗って移動するのね?』
「免許っていうのがあればですけどね。」
話をしながら私は社畜号をどう改造しようか考えていた。
3人乗りにするとして、後ろは長椅子にして……
その後ろにアイテムボックスを置いて……
やっぱり後ろのドアは開け閉めできないとね。
そう考えながら改造した結果
社畜号は立派な4人乗りの軽サイズになりました。
……あれ、大きくなっちゃった。
ちなみに足漕ぎは運転席と後部座席につけたよ。
「てことで佐藤漕ぐのがんば。」
「おまえもな。」
社畜号改め社畜号(改)にシルバーの塗装を施したのはついでだった。
だって、元の世界のじいちゃんが乗ってた車ってシルバーだったんだもん……
「これで準備は万端!……だけどもう戻らないとダメそうかなぁ……」
『ならまた明日ね。お嬢さん。』
翌日、リン大陸は黒竜の森に飛んできて最初に見たのは人の姿をした白竜だった。――
アル王の謎は深まるばかりなり。
そしてオモチ達が白竜に対して恐怖を感じてた理由はただ威圧されてただけでした。




