33:結界のあれこれ
そっと手を戻してみれば特に異常もなくて。
なんか結界って不思議だなぁ……
「望月さん大丈夫!?」
「うん、なんともないよ?」
塩は少し心配性なのかな?
そう思いながら結界の方を見たけど……
多分、塩は森側の結界に入ることもできないような気がするんだよね
「ねぇ塩、ちょっと結界に触ってみてよ」
「え……あ、うん……」
少し消極的にも見える塩はおそるおそるって感じに森の方の結界に触れた……けど。
「あれ……?」
結界に触れた塩の手は貫通することもなくて
そのことに塩は戸惑ってるようにも見えた
「んー……やっぱりかぁ……」
私の予想が正しければ多分佐藤は森の方の結界に触ったら貫通すると思う……
やっぱり黒竜に会ったからかなぁ?
「まぁ、今日はこの辺までにして向こうに戻ろっか」
「そう、だね……」
ビネガーさんに結界のこと聞いたら何かわかるかな……
そんなことを考えながら目印を置いていた私は気付いていなかった。
塩が悔しそうな表情で結界の方を睨んでいたことを……
ビネガーさんの家に戻ってみれば、佐藤はまだ戻ってきていなかった。
まぁ、そりゃそうか。
とりあえず私はビネガーさんに早速結界のことを聞いてみることにした。
「結界……ですか。」
「うん。何かわかる?」
「そうですね……」
ビネガーさんが知ってる限りの結界についてはそんなに多くはないらしいけど
それでもやっぱり私には参考になることばかりだった。
ひとつ、結界とは敵対する者を排除する為のモノ
ひとつ、内の者が認めた者に対してはその意味を為さず
ひとつ、他者には拒絶のみが与えられる
ひとつ、攻撃を受けてもそれを内部には与えず
ひとつ、それを発生させているモノは者であり物である。
ビネガーさんが知ってるのはそのくらいらしい。
「んー……とりあえずやっぱり内側の何かに認められたら入れるってことでいいのかな?」
「そうですね。しかし、そんなに結界があるとは……」
そう考えたらあのショタ爺ってどうやってリン大陸を見て回ったんだろ?
……まぁ、いいけど。
「とりあえずまた明日佐藤に付き添い頼むことにしようかな。黒竜のとこに行ってるし」
「それがいいかもしれませんね……」
明日はまずは黒竜の住んでる森を探索しよう。そうしよう。
それについては佐藤が帰ってきてからだけど
にしても……
「なんで塩へこんでるの?」
一応スルーしてたけどさ。塩がへこんでるの初めて見たんだけど。
ついでにビネガーさんは静かに苦笑を浮かべていた。
約1名、結界に役立たずでした。
いずれ・・・!いずれは塩にも活躍を!




