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27:サトウの戦闘力

初めてのちゃんとした戦闘(だと思う)だよ。

――その瞬間、黒竜と佐藤は唐突に鋭い視線を入口の方に向けた……


「佐藤?黒竜?」

「望月、おまえ少しはサポートくらいできるか?」

『我が住処に侵入してくる者がおるとはな……』


佐藤と黒竜が纏う空気は触れれば切れそうなほどピリピリとしてて……

ていうか佐藤はいつの間にかその手には剣を持っていた。


どっから出したのそれ……


灰色の竜は少し怯えたように私の影に隠れ……って私の後ろに隠れるのかよ。

そこは逆だろ。


「ていうか私の場合、サポートキャラじゃないと思うけど」

「だよなぁ……」


佐藤は佐藤で失礼な奴だよなぁ……

まぁ、幼馴染故のあれもあるだろうけどさ


「……あー……佐藤達が何に警戒してるのかようやくわかった……」


私ってこんなに鈍かったっけ……

そう思わずにはいられないほどに外から来る気配はすごく強いものだった。


『人の娘よ、そう気に病むことはない……アレは隠すのが得意な存在だ』

「っていうことは黒竜はいま来てるのの正体を知ってるんだ?」

『無論だ。さぁ、来るぞ……』


そうして入ってきたのは大きな赤いとかげだった。

うん、とかげだ。

間違いなくとかげだ。


『アヤツは周囲の色彩に合わせて己の外皮の色彩も変えてくるからな……気をつけろ』


見た目はとかげなのにカメレオン能力とは……

そんなことを考えているときそのとかげは突然大きく鳴き声をあげた

って耳痛い!響く感じに痛い!!

私も佐藤も思わず手で耳を塞いだけどこれじゃ何もできない……


「ッチ……望月おまえなんとかしろ!」

「無茶ぶりすぎるでしょうが!!えーと……黙れやそこのとかげ!!!」


……なんていうかさ、これもう呪術関係ないよね……

そう思わず得ないほどに私が放った言葉はとかげに効果があったらしく唐突にとかげの鳴き声が途切れた。


でも、とかげはまだ鳴き声を出してるように何度も口を大きく開けていた。

もっとも、その鳴き声が私達に届くことはないけど――


「おい、黒竜。あいつは倒していいやつか?」

『あぁ……出来るならば』

「おっし、んじゃ俺もやってみるかぁ……」


佐藤は一度剣を握り直し、軽く身を沈める。

なんか呟いてる気がするけどその佐藤の言葉は私の耳には届かなかった。


パリッという音が洞窟の中に響いた瞬間、佐藤の姿は消えるようにその場からいなくなり

そして次の瞬間にはもうあのとかげの背後に立っていた。


「んー……やっぱこんなもんか。」

「佐藤のくせに……さまになってる……だ、と……?」


佐藤の方に振り向こうとしたとかげの身はボロボロと崩れ落ちていく

なのにそこに血が広がることはなくて……

あ、崩れ落ちていくって言っても胴は縦に、足は横に輪切りになってそれがずれて落ちてった感じね。


『ほう……身体強化の法に切り口を焼いたか……』

「おう。あ、黒竜これ持って帰ってもいいか?一応こんなん切ったって報告しなきゃいけねぇんだ」

『あぁ、構わぬ……』


佐藤は黒竜にサンキューって言いながらなんかの袋にとかげの切り身を全部入れていた。

あれってどうなってるんだろ?まぁいいけど。


「にしても佐藤ちゃんと魔法剣士だったんだね。」

「当り前だろうが。」


知ってたはずの幼馴染がいつの間にか知らない力を思うままに使えてるってなんか複雑……

このカメレオンみたいなとかげについては次の話以降でちゃんと名前とか出てくると思います。

なお、このとかげの狙いは灰色竜でした。ぺろりするつもりでした。(意味深

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