エピローグ
一応これで終わり。
人々が行き交う“商店街”その中を歩く2人のジャージらしきものを着た青年がいた。
その2人は手元にあるメモを見ながら何かを探しているようだったが誰かにそれを尋ねる様子はまったくないようで……
「確かこの辺って母さん言ってたんだけどなぁ……」
「住宅街と商店街のちょうど狭間って言ってたんだよ。おばさんは」
「あ、だっけ?」
そうだよ、と薄茶色の髪の青年は頷く。
赤茶色の髪の青年はつーか母さんにおばさんって言ったらマジで技かけられるからな?俺、知らねぇよ?
と助言の様なことを呟いていた。
正確にはもちろん助言ではないけど。
2人はそんな会話をしながらどんどん住宅街の方へ足を向けていて……
そして赤茶色の髪の方の青年がそれを見つけた。
「“和菓子屋望月堂”……おい、ここみたいだな」
「ホントだ」
彼らが探していたもの、それは彼女が生まれ育った場所。
本来ならばもう二度と見ることができるはずのない場所だった。
赤茶色の髪の青年は躊躇いなく入り口であるガラス戸を開ければ店先には優しい眼差しの女性が立っていた。
「いらっしゃいませ」
「すんません、えっと……なんだっけ?」
「あー……確か……あんころモチと塩大福と、黒糖まんじゅうを3つずつください」
薄茶色の髪の青年は頼まれたものを思い出せなかった赤茶色の髪の青年に変わり注文をしていた。
親達に頼まれたその品々を。
「はい、――円になります」
「はいよー」
赤茶色の髪の青年はポケットから財布を出し、言われた分のお金を出す。
――1通の手紙をお金と一緒に出しながら……――
「はい、ちょうどお預かりします。ありがとうございました」
商品だけを受け取った青年達は一礼をして振り返ることなく店をあとにした。
そこに残るのは1通の手紙。
店先にいた女性は一瞬困ったようにその封筒を持ちあげたが、すぐにその表に自分の名前が書いてあることに気付き、慌てるようにその手紙を躊躇うことなく開いた。
それは、もう会うことのできないただ1人の妹からの手紙。
その文章を読み進めて初めて彼女は今いた2人の青年の正体を知った。
「……キョーちゃん……やっぱりカズくんと……あ、萩くん大変!!」
手紙には、自身にあったことなどが支離滅裂になりながらも書かれていた。
その中には、あの青年達のことも……
――異世界へと召喚された少女は、すでに自身が姉達よりも年上になってしまっていたことを知らない……いや、知るはずがなかった……――
カフェイン大国が王、アル王の秘密基地にあるその魔法陣はただただ静かに彼らをあの世界へと導いていた。
その魔法陣が飛べる場所、それは、現在進行形の異なる世界だけ。
だが、その魔法陣を使うことは、彼女達には出来ない。
たった1度だけ、使用することができるのはこの世界に生まれた者だけ……
そのことを彼らが知るのは……
と、いうことでサトウとシオ。ついでにオモチはこれにて終わりですよ!
1月1日から毎日更新目標で最終的に6月6日……かな?えっと……158日!
……文章、いろいろと物足りない気がしますが次もっと頑張ります!
よくよく考えたらプロローグなかったのな、この話。
そしてお話の風呂敷は回収しきれたのか自分でも自信がない……
ほぼ行き当たりばったりだったのでそこはすみません。
それでは!ここまで読んでいただきありがとうございました!
また次のお話や、連載中のお話も読んでいただけると嬉しいです!!
こっそりと感想や評価待ってます。とか言ってみる




