133:少しずつかえていく
――あれからそのままのんびりとオレイン国のはじっこまで移動してそのままそのはじっこにも目印をつけて私達は転移の方でビネガーさんのおうち(もちろんカフェイン大国の方のね)に戻った。
そういえばオレイン国って真ん中のとこにちょっと大きい村があるだけで他に村らしい村もない国なんだってさ。
ついでにその村に城っぽいものがあったよ。
あくまでぽいだけだけど。
「さて、肉じゃが作るかー」
どうやって作るんだったかなぁ……
にくじゃがの工程を思い出しながら私は1人でもそもそと野菜を切って、クリエーターの力で最低限の調味料を作って、料理を進めていった。
そして数時間後、肉じゃがは無事に完成した。
ていうか思い出せてよかった……
まぁ、他の料理は結局いつもの力で作ったけどね!
ちなみにこれは晩ごはん。別個にちゃんとお昼ごはんも食べたからね。
ついでに言えばお昼は塩やきそばにしたよ。
「てことでごはんだよー」
「おー肉じゃが」
「うん、なんとか食べれるレベルのできたよ!」
今日の晩ごはんはシンプルに白米に豆腐の味噌汁に肉じゃがにおまけの苺大福!
ホントは大福系作る気なかったんだけどねぇ……
デザートのレパートリーがなくなった。
「んー……ちゃんと肉じゃがだ」
「そうだな。うまいよ」
「さ……佐藤がまともに感想を言っただと……」
「おい、俺を何だと思ってんだよ」
佐藤のことは佐藤としか思ってないけど?
正確に言えば何者にも代えがたい存在だけどそれは言わない。
調子こきそうだから言わない。
「ビネガーさん、味どう?薄くない?」
「えぇ、美味しいですよモチヅキさん」
「ならよかった」
普通に考えたらビネガーさんの方が居心地が悪いんだろうけどなんでだろうなぁ……
一番居心地悪そうなのが佐藤っていうのがなんとも言えないよね。
まぁ、こういうものかな?
「そういえばやっぱり気になったんで聞いちゃいますけど弟さんってどうして亡くなったんですか?」
「シアの死因ですか?……あの子の死因は、今でもわかってないんですよ」
わかってないってどういうこと?
やっぱり解剖とかないから究明できなかったのかな
「あの子はあの日、急にベッドから起き上がれなくなり、季節が変わって間もなく眠る様に亡くなっていたんですよ。それで母は涙に暮れ、父が母の故郷であったオレイン国へと移住したんです」
そう語ったビネガーさんはホントに要因がわからないって感じで
突然死って、やっぱり怖いね。
「ていうかこの世界でもそういうのあるんだね。魔法あるのに」
「回復の呪法というのは内部の損傷には効かないんですよ」
「え、まじで!?」
私的にはゲームのあれ系だと思ってたけど……違うのか……
よくよく聞いてみれば、回復の呪法は外傷に対してのもので、内部の損傷というのはその損傷に適した調薬を服用しなきゃいけないらしい。
魔法のある世界なのになんて不便な……
元の世界ならそれが当たり前なのに不思議だよね!
そしてビネガーさんの弟さんの原因がわからなかったからこそ調薬を服用することもできなかったらしい
あてずっぽでもいいんじゃないのかと思ったらそれはダメらしい。
まぁ、そうか……
「モチヅキさんもお体には気をつけてくださいね」
「うん、それはもちろん……」
とりあえず怪我はなんとかなるけど病気はほぼアウトって思った方がいいんだろうな。
あ、風邪は除く!
「それで望月、あの買ったのどうするんだ?」
「もちろん精製するよ!」
さぁ、目指すは手作りのお砂糖!!
……まぁ、明日やるんだけど。
ごはんを手作りにする的意味で。
一応回復が万能じゃない系の世界ですよ




