131:おやさいちょうだい
「畑……ですか?」
「はい、ちょっと見せてもらえないかなーって……」
「あぁ、そういうことですか。えぇ、いいですよ」
「ありがとございまーす」
ホントはダメ元だったけど、ドアの近くにある農具を見て畑はやってるだろうなって予測を立ててみたらそれを見せてもらえるとは思わなかったな!
まぁ、家庭菜園系ならあんまり情報が入らないだろうけど
そう、思ってた時期が私にもありました……
ビネガーさんのお父さんに案内されたは家庭菜園レベルじゃなくて普通に農家レベルの畑が広がっていました……
まぁ、トラクターとかはないから1個1個の範囲はそこまでじゃないだろうけど
どうして範囲がわかったのかと聞かれれば柵が広範囲に繋がってたからね。
「これ全部……なんですか?」
「そうですよ。あちらがポテン、あちらがオニール。それから……」
ビネガーさんのお父さんは丁寧にどの一角に何を植えてあるのかをきっかりと説明してくれた。
しかもわかりやすいっていうのがホントポイントが高いよね!!
「やっぱり市場で見たものくらいかぁ……」
「あぁ、これら以外というのはやはりなかなかうまく行かなくてね……」
それでも反対側にある先端周辺の畑では少し風変わりなものを育ててるらしいけど……
それは後でかなー?
なんかフラグがありそうな気がするし!
「あの……時間があるのなら少し収穫を手伝ってもらうことなど……」
「ちょっと貰えるなら手伝いますよ?」
「そっすね」
「助かります」
なんとなくね、この広さで1人使いものにならないって大変だろうなって思ってたしさ!
……貰えるのが目的なんて言わないよ……
とりあえず私は力で自分のと佐藤の長靴と軍手を作って出した。
「サンキュー……」
「しつれいですが……その履きモノは?」
「長靴って言います!土とかが靴の中に入りにくくなるものとも言えるのかな……」
……とりあえず物欲しそうに見られても困る。
さすがに多人数に用意はしないよ!?
「とりあえずどこの収穫をしたら?」
「あ、はい……こちらの……」
それから私達はたっぷりと3時間くらい野菜の収穫の手伝いをした。
最初はさすがに取り方を教えてもらったけど……じゃがいもの収穫ってよく考えたら小学生以来だったなぁ……あ、じゃがいもじゃなくてポテンか。
そして全部ちょっとずつ貰ったから力使わないで作る方の料理でしっかり使おうと思う。
「佐藤、何食べたい?」
「あー……肉じゃが食いたい……」
「……調味料は力の方で作るか……」
私はうきうきと社畜号のアイテムボックスに貰った野菜を入れてたけど……そういえばビネガーさん、お母さんとの話まだ終わってないのかな?
べ、別に忘れてたわけじゃないからね……?
トラクターなんてないから全て手作業なオレイン国。
もちろんゴム長なんてないよ!
さてはて、ママンとビネガーの会話は……書かないよ?




