127:おうち変え計画
――気付けばビネガーさんの家にある本を読破してて、佐藤も安定して給金をもらうようになった頃
いつも通りにいたときに佐藤は唐突にその言葉を発した。
「望月、一緒に暮らすぞ」
「……何唐突に」
ホントはその意味を理解してるけどさ……
給金を貰うたびに家を借りるぞってうるさかったし
「佐藤はしつこいと思う」
「ぐっ……」
よくは知らないけどさ、これならなんとなく前までの方がよかった気がするんだけど
恋愛ってホントむずかしいなぁ……
「そういえばビネガーさん、この辺のおうちの家賃って相場どのくらいなの?」
「家賃の相場、ですか?そうですね……」
一戸建ての借家だと月に銀30枚、共同住宅系だと月に銀10と銅9枚、下宿系になると銀5と銅8枚になるらしい
ただし最低でっていう言葉がついてくるらしいけど!
「……高いのか安いのかよくわかんないね」
「モチヅキさんからすればそうなんでしょうね?」
えーっと、私達のとこの金額に直したら……一戸建てだと3万、共同だから……アパートかな、それだと1万900……下宿で5800かぁ……
「うん、やっぱりよくわかんないや」
「モチヅキさんは彼と共に暮らすことに関してはどう思ってるんですか?」
「んー……別にいいんだけどさ……佐藤がしつこすぎてめんどくさくなってる」
ばっちり本音だけど。
佐藤が影で凹んでたけど……そんなの知らないし。
「ならこういうのはどうですか?」
「どういうの?」
ビネガーさんの提案は、まず佐藤が外に部屋を借りて半1人暮らし的にする。
ごはんとかもろもろはここのおうちで済まして寝る時はその外に借りてる家で
その回数を増やして、そのうち私も佐藤が借りた部屋で寝るようになっていく形らしい
「私はそっちの方がいい……」
「いや、それなら同時期でいいだろ」
ふかふかベッドから離れたくないって本音があるんだけど。
ビネガーさんがのんびりと私達の戦いを眺めている間に決まった。
佐藤が外に部屋を借りて、私は1日置きに佐藤の部屋に泊まる形にする。
ごはんとかお風呂はやっぱりこのままビネガーさんの家でって感じに。
そして少しずつ佐藤の部屋でのお泊り回数を増やしていく方向で最終的に決まった。
「てことであんまり遠くないとこがいい」
「わかった。明日にでも部屋紹介してくれるとこ行ってみるわ」
そんな感じで私達の居候離れ化計画と称したい同棲計画はゆっくりと実行されていくことになった。
私は何もしないけど佐藤はホントに仕事後に部屋を見て回る作業が増えたのはもちろん言うまでもない
ということでオモチはすぐにサトウと同棲をしないという形に。
サトウはすぐにでも同棲したいんだろうけど。
ちなみにで言えばビネガー家はブラウニー込みで銀3000くらいです。




