126:特にはなくとも
――最近の私のマイブームはクリエーターでお菓子を作らずに、材料だけを出してお菓子チャレンジをすることだったりする。
「やっぱり冷やすは無理っぽいんだよなぁ……まぁ、冷蔵庫作ってあるからいいけど」
たっぷりの油の中に生地を入れてゆっくりと揚げていく
……ほぼかまどだから火加減難しいけどね
「望月、何してんだ?」
「あ、佐藤おかえりードーナツ作ってるんだよ」
「へぇ……」
こう作ってると……やっぱりあっちのが便利だよなぁ……
あ、揚がった揚がった。
「佐藤、チョコと粉砂糖どっちがいい?」
「どっちでも」
「ほいほい」
揚げたてのをキッチンペーパー(クリエーター作)に乗せて油を切りつつ、両方の粉を出してちょっと思案してみる。
ゼロにも持ってくから半々でいいかなぁ……
出来たてドーナツは私と佐藤とビネガーさんの3人で食べて、残りのドーナツはカルーアさんの分とゼロの分に分けて万全に。
あ、陽翔達とブラウニー達用に身にドーナツも作ったよ。
「にしても望月、おまえもだいぶ慣れてきたよな」
「まぁね。ほぼかまどだけどなんとかね」
さすがになかなか難しいのはあるけど。
最終目標はやっぱりラーメンだね!
ほぼ力任せになっちゃうだろうけどさ……
「それにしても、塩達の結婚式すごかったよね」
「あー……そうだな」
結婚っていうよりも契約ぽかったけど、それだけの覚悟がやっぱり必要なんだと私にもわかった。
小説もだいぶ大人向けにも慣れてきた気がするけど……
「そういえば結婚の小説ってないんだよね」
「カーデン・クラークだっけ、書いてなかったのか?」
「うん、正確に言えばこの世界でいう結婚の話はだけど」
私達の世界での結婚話はいくつかあったんだよね。そう考えたら不思議だ
「今度クラークさんに聞いてみるかな……」
「……とりあえず成人向け読めるようになったら進展するかぁ……」
「佐藤なんか言った?」
「いいや?」
佐藤がぼそりと言ってた言葉はよくわかんなかったけどなんで大人向けの小説って描写が一々生々しいんだろ……?
アル王に今度いつクラークさん来るのか聞いとかないと……
そんなことを考えながら指についてた粉砂糖を舐めて、ミニドーナツを陽翔達にあげた。
その日の夜、ブラウニー達が掃除した後にドーナツを食べて粉砂糖が散らばって慌てて牛乳をこぼすというちょっとしたことがあったけど平和だよね。基本的に
ついでにカルーアさんが言うにはブラウニー達も冷蔵庫に関心してたらしい
ぎゅうにゅうがつめたいなんて!って叫んでる声を私も聞いたけどさ
オモチ作の冷蔵庫は謎原理で冷え冷えです
電気はないからね
ついでに、冷蔵庫を作ってすぐの頃はブラウニー達がそこに入ろうとしていたからしばらくの間張り紙がされていたという小ネタも。




