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番外編18:試験後の騎士団

――多くの見習いだった騎士が合格を得た今回の見習い卒業試験。

代用品として召喚されたはずの2人もまた想定以上の力を持って合格をしていたのだから団長格からすれば思ってたよりもいい素材が手に入ったようなものだった。


「……それにしても、あの王が依頼して作らせていたあの道具はいったいなんだったんだろうな……」

「本来は打ち返すものらしい。王が作成者の娘にその道具を要求して拒否されていたがな」


団長らはそんな会話をしながら訓練場内を歩いて行く

訓練場では現在、飲み会に発展していた。

それもまた恒例行事というやつなのだが……如何せん今回は特に特別とも言えたから


「しかしインキュバスの試験が休みだったのが珍しかったな」

「あぁ、魅了対抗の方が心配になるが……」


彼らが見習いを卒業するときの試験がちょうど例のインキュバスの試験だったのだが

今の団員達は知らないが、彼らは2人揃って試験はギリギリだったらしい……

それゆえに彼らはインキュバスに対して苦手意識があったが、それをうまく隠していた。



訓練場の至るとこに酒瓶が転がり、団員達は酔いもろもろの勢いで騒いでいた。

なお、主役であるはずの見習い卒業生の大半がダウンしているか、すでに帰っているが。


「団長お疲れー」

「おまえらな……一体何人潰したんだ……」

「そんなに潰してないって。」


彼はそう言ったが、地に伏してるのが見えてるだけで数十人

伏せるまでには至ってないが、うなだれているのが数人

あとはすでに帰路についていないという現状。


「あー団長、班長の相手マジ頼みます……ねみぃ……」

「あいつはホントザルだからな……」

「ところでサトウらはもう帰ったのか?」

「あぁ、身うちで祝うからって帰ったなぁ……」


班長以上はサトウが依頼して召喚させた娘と付き合うようになったということを知らない。

班員達は気付いているが。


「団長団長、あの試験で使った道具使ってみたいんすけど」

「一応王には頼んでおいてやる……」


団長の一言に辛うじて意識を保っていたメンツは歓喜した。

それほどまでにあの道具に興味深々だったらしい。


――後日、彼らはサトウによって本来の使い方を聞き、新しい流行になっていくわけだが

もちろんそのことをこの時点では誰も知らない。



その場にあった食糧や酒瓶がなくなれば全員で後片付けをするというのもまた毎回の恒例行事とも言えた。

帰った者達が何か言われることはない。

そういうルールの元で彼らは存分に飲み食いをしたのだから。


綺麗に片づけをして、満足して帰った翌日にサトウからお裾わけとパーティセットを見て飲み会第2段が始まってしまったのはまた仕方のないことだろう……


「サトウが例の子と付き合うか賭けようぜー」

「おいやめろ」

文字通り見習い卒業試験後の騎士団です。

サトウも帰る前にちょっと呑まされてます

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