118:オモチの自覚
――あの日、耳元で呟かれた言葉
私はどういう意識で佐藤と向き合えばいいのかわからなくなって……
「どうしたらいいと思いますか!!フォルさん!」
「急に訪ねてきたかと思ったら……そういうことなのね」
こういうことを相談することができるのってこの世界にはホントに数少なくて
考えた結果、一番近くで相談できそうだと思えたのが塩の彼女さんであるフォルさんだった
「まず聞きたいのは、あなたはその方のことをどう思っているの?」
「それがわからないから困ってるんだよぉ……」
そうテーブルにうなだれてるとフォルさんはあぁ……と察していた。
これが経験値の差か……
「じゃあ質問を変えるわ。……あなたとその方はどういう関係だったの?」
「幼馴染だよ。生まれたときからの」
「もしかして相手の方が急にそっけなくなったりしたんじゃない?」
「なんでわかるの!?」
まさかエスパー!?
一瞬、そんなことを考えたけどその答えはあっさりとフォルさんが教えてくれた。
「きっとその頃にその方はあなたを1人の女の子として意識したんでしょうね」
「佐藤が私を意識……意識!?」
「そこで改めて聞くわ。あなたはその方をどう思っていたの?」
幼馴染として育って、指きりをして、急に佐藤がそっけなくなって……
話しかけても知らんぷりされて、ちょっと寂しくて……
――やっぱり、フォルさんに相談してよかったのかもしれないや……
私は改めて自分のことと佐藤のことを考えることができたんだから――
「うん、なんかわかった気がする」
「それを相手に言える?」
「……うん、大丈夫……ありがと、フォルさん」
フォルさんは綺麗な笑みを浮かべてどういたしまして、と答えたけど……
そっか、私の中でもう答えって出てたんだ……
「あ、そうだフォルさんこれ塩と食べて」
「あら、なにかしら?」
「おはぎだよ。今日のおやつにしようかなって思って、お裾わけ」
「おはぎ?」
フォルさんに軽くおはぎの説明をして、そのままフォルさんの家を出て
とりあえずゼロにおやつのおはぎを持ってかなきゃだからお城に向かったわけだけど……
「ゼロ、変な顔してるよね」
「望月って案外口悪いよね……ところでそれ何?」
「おはぎ。おやつにどうぞ」
「これがおはぎ……」
ゼロはじっとおはぎを眺めてぽつりと言った言葉は「これ辞書で読んだことあるやつだ……っ」だった
まって。
「あとお茶もね。」
「ありがとう、望月」
ゼロはおはぎとお茶をどこかにいそいそとしまってたけど……どこにしまってるんだろ……?
とりあえず今日はそもそも来る時間も少し遅くなったし、今日はすぐに帰ることにした。
「……望月、もしかして自覚した?」
「ホント今日のゼロは変な顔しかしてないよね」
見た目少女っぽいのに……今日はずっとにやにやして……
うん、いろいろと台無しだよね。
とりあえず佐藤と話をしなきゃ……
フォルさんと話してわかった気がするし。うん。
オモチがそっちの相談できる相手はそれこそフォルと白竜くらいです。
もちろんアル王は論外。
のんびりとそっち方面に行きますが、ベタ甘にはならないこと確実な幼馴染




